家族みんなで使えて、何かと便利な「ワークスペース」。リプランの事例を見ると、家族が集うLDKまわりや、場所を確保しやすい2階ホールが配置場所の候補になるケースが多いですが、例えばLDKの「どこに、どのように」つくればいいのか、最適な場所は間取りによっても変わります。そこで今回は特に「リビングまわり」にワークスペースを設けた例で、用途とレイアウトを見てみましょう。
リビングの壁側を
大胆に使ったワークスペース
昔ながらの2階建てを平屋に減築したMさんのお住まい。元の家の居間と和室をつないで、ゆったりと広くなったリビングの壁側を大胆に使ってカウンターを造り付け、ワークスペースを設けました。カウンターは家族4人でも並んで座れる大きさで、窓からは遠くに大雪山連邦が望めます。リビングやダイニング以外にこういう居場所がある暮らし、素敵ですね。
空間を無駄なく使って
カウンターを造作
Tさんの家のリビングでは、余剰スペースを上手に利用してワークスペースを設けました。カウンターの上には収納棚を造り付け、コンパクトながらも機能的です。このお住まいは、ダイニングの一角にもワークスペースがあるのが特徴。こちらは引き出し付きの作業机のような仕様で、デスクトップを置いて、より書斎的な使い方ができるようになっています。
マンションリノベで
リビング横にワークスペースを新設
マンションのリノベーションを機に、ワークスペースをつくった例も。子育てを意識して間取りを検討したIさんは、リビングの隣にゆったりとしたワークスペースをレイアウト。壁一面を使った書棚は、お子さんの学習書やIさんの仕事関連の書籍類をまとめて収納できる大容量です。
ワークスペースと寝室は開口でつながっていますが、これは「子どもたちに、音が聞こえ、光が漏れる住環境での暮らしを通して、周りに気づかうことを覚えてほしい」というIさんの意図を反映させたもの。空間のつくり方に各家庭の考え方が反映できるのは、自由設計ならではの面白さでしょう。
アールの開口とアクセントウォールで
特別感あふれる学習スペース
Oさんの家族は、ご夫妻とわんぱく盛りの3兄弟。そこでLDKの一角に、お子さんたちのための学習スペースを設けました。LDKと学習スペースを仕切るのは、アールの下がり壁。正面は淡いグリーンのアクセントウォールで、特別感あふれる空間に仕上がっています。
このスペースのご夫妻のこだわりは「LDKとのつかず・離れずの程よい距離感」。ご夫妻がお子さんたちを見守りやすい安心の間取りで、適度なこもり感もあって、勉強がはかどりそうですね。
このように「リビングまわり」に限定しても、その位置や広さ、カウンターのサイズ感などは各家でさまざま。家を建てる前に新居での暮らし方を想像するのは難しいですが、今の住まいの「こうだったらいいのに」や「こういうふうに暮らしたい!」を丁寧に拾い上げて、納得のワークスペースを実現してくださいね。
(文/Replan編集部)