板材を使って大工さんが建築現場で造り付けてくれる「造作カウンター」。カウンターを付けたい場所と既製品のデスクなどの寸法がうまく合わない場合や、微妙に空いたスペースを有効利用したいときにとても重宝します。
私たちが取材にうかがうと、かなりの確率で取材先のお住まいには造作カウンターがあります。最近は、LDKの一角や2階のホールに家族で共有できるワークスペースを設けたり、家事スペースやドレッサー的な空間などをつくったりする家も増え、これまで以上に需要が高まっています。
中でも圧倒的に多く人気なのが「木」でつくられたカウンター。そこで今回は、家づくりにおける木の造作カウンターを、場所別にご紹介します。
キッチンの対面カウンター
カウンターのなかでも、いちばんのおなじみはキッチンの対面カウンター。集成材でカウンターを造り付けるのが一般的ですが、なかには分厚い一枚板を用いたお住まいも。最近はストレートダイニングも人気で、対面カウンターとダイニングテーブルを一体にして造作しているお住まいもあります。
ワークスペース
最近の家づくりでかなり定番化してきているのが、造作カウンターを設けたワークスペースです。お子さんが勉強したり、ご夫妻の読書や家事、作業スペースにできたりと、家族みんなで共有できて便利。デッドスペースを有効に使うために採用する場合もあり、寸法が自由にならないこともありますが、書き物をしたりパソコン作業をしたりするなら、奥行きは最低でも45cmは欲しいところです。
ランドリールーム
取材先で徐々に増えつつあるのが、ランドリールームのあるお宅。場合によっては隣に家族分のウォークインクローゼットを併設して、【洗う】→【干す】→【たたむ・収納する】を最短の動線で行えるようプランされています。そこで活躍するのが、造作カウンター。衣類や洗剤の容器などを置けて作業をスムーズにできます。
ドレッサー付き洗面台
ランドリールームと同様に、最近よく目にするのが、ドレッサー機能を兼ねた造作の洗面台です。スペースを広めに確保して洗面台の横にカウンターをつくり、イスやスツールに座って肌のお手入れやお化粧、ヘアセットなどをしやすくしています。美容関係の小物類は洗面台まわりに置きがちなので、動線的にも洗面台とドレッサーを組み合わせるのは理にかなっていますね。
その他
ほかにも、トイレや玄関、子ども室、寝室など、家のなかで造作カウンターの生かしどころはいろいろあります。
大工さんの技を生かしてつくられる注文住宅は、比較的融通がききやすくカウンターの造作をお願いしたら、気軽に相談にのってくれる会社も多くあります。ただ、長い目でみると造り付けにせずに、必要に応じて移動させられる既製品のデスクや棚を置いたほうがいい場合も…。「カウンターを付けたい場所にぴったりのサイズの長机を製作してもらう」という手もありますので、新居での暮らし方のイメージを膨らませながら、建築家や建築会社の担当者さんに相談してみてはいかがでしょうか。
(文/Replan編集部)