「NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。
Q ベタ基礎の下に敷く砕石の重要性について
質問者/兵庫県・カニ
記事No.14013/カテゴリ:工事ミス・トラブル
現在、建築中です。メーカーに地盤調査をしてもらい、その結果はベタ基礎の判定でした。地盤改良も必要ないとのことで、行っておりません。その状況下で、砕石の重要性について教えてください。
もし、砕石厚さが規定を満たしていない、且つ根入れ部分に至っては砕石を敷いていない。この場合に考えられる問題とその問題の大きさは如何なものでしょうか?よろしくお願いいたします。
A-1:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
>砕石厚さが規定を満たしていない、且つ根入れ部分に至っては砕石を敷いていない
前段の部分と、後段の部分が、少々矛盾しますので、ベタ基礎下の砕石の厚さにムラ(一部薄い)があると解釈し、「一般的」なお話として、ご説明します。
単純に解釈すれば、不同沈下のリスクがあり得ます。しかしながら、そもそもの計算根拠となるボーリングがおそらく、5ヵ所程度であろうこと、計算用建物荷重や地耐力が実際の数値よりは相当に安全側に想定しているであろうことなどを鑑みると、あまり細かな数値に神経質にならなくても良いように思います。
そもそもの設計図書との数値(基準)とは異なる、という一点については、確かにその通りなのでしょうが、実際の現場では、精緻な作業が難しいので、余力をもって基準はつくってあります。また、沈下量に関しても決して「0」を措定している訳ではなく、生活に支障ない程度の沈下は許容されています。
仔細は個別のお話として計算してみなければ判りませんので、具体のデータがあれば、どなたか計算のできる方に依頼されてみてはいかがでしょうか?
質問者より
ご回答ありがとうございます。やはり専門家の意見をいただけるのは安心できます。地盤調査についてですが、スウェーデン式サウンディング試験でした。
添付写真のような状況で基礎が進んでいたら?と不安になり質問いたしました。写真の状況時点では、根入れ部分には砕石がなかったのです。また全体的にも不足しているようでした。
A-2:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
おそらく、溝状になっているところに、切り込みが入っていないことをご心配されているのかと思いますが、ここは多分(図面を見ていないので)地中梁の部分ですね。
ここは根入れ部分というより、底盤全体を支える、凧や傘の骨にあたる部分で、仮にこの部分の地耐力が「0」であっても、全体にさほど影響はないでしょう。ましてや「これが原因で」不同沈下する可能性は低いですね。
>考えられる問題とその問題の大きさは如何なものでしょうか?
とのことで、問題の大きさは……「小さい」とお答えしておきます。
質問者より
ありがとうございます。担当の営業さんとも話ができ、落ち着いてはきていたところ、こちらでプロのご意見もいただき、安心できました。やはり素人の簡単に調べる程度では限界を痛感いたします。本当にありがとうございました。
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