戸建て住宅は、マンションよりも「プライバシーを保ちやすい」「騒音トラブルが起きにくい」「落ち着いた住環境が実現できる」などのメリットがありますが、動物好きな方々にとっては「ペットを飼いやすい」というのも、大きなメリットではないでしょうか。

最近はリプランの取材先でも、犬や猫との暮らしまで考えた家づくりをするご家庭が増えています。そこで今回は、住まい手とペットがともに快適に暮らせる工夫をしたお住まいを2つ、ご紹介しましょう。

アレルギー体質の子どもにも、
3匹の
にも快適な環境を実現

幼い頃から猫と暮らしてきて、今は動物病院を経営するUさんご夫妻は、長男の誕生後にマイホームを考え始めた当初は、住まいをマンションにするか戸建てにするか迷っていました。そんなとき、まだ小さいお子さんに猫アレルギー症状が。お子さんにも愛猫たちにも快適で、暮らしやすい環境を実現すべく、戸建ての建築を選びました。

住まいの中心は、1階のオープンなLDK。リビングの隣に、猫由来のアレルゲンが室外に浮遊しないよう大きなガラスで間仕切りされた3匹の猫たち専用の部屋をつくりました。この間取りのおかげでお子さんのアレルギーも落ち着いたそうです。室内には、キャットウォークや階段式の遊び場兼寝床、床暖房も完備。猫たちとご家族がともに快適な、理想的な環境を実現しました。

リビングから猫の部屋を見る。猫もガラス張りの大開口越しに家族の様子を見るのが大好き
リビングから愛猫たちの部屋を見る。愛猫たちもガラス張りの大開口越しに家族の様子を見るのが大好き
リビングの採光窓を兼ねる天井下の開口にもガラスを入れ、アレルゲン対策は万全
リビングの採光窓を兼ねる天井下の開口にもガラスを入れ、アレルゲン対策は万全
猫裏観察が楽しめるガラスのキャットウォーク。小さな出入り口は主寝室につながっている
猫裏観察が楽しめるガラスのキャットウォーク。小さな出入り口は主寝室につながっている

猫の部屋には、麻紐を巻いた爪とぎ柱と多種多様なキャットウォーク、観察窓と物見台、主寝室への階段と寝床を兼ねた収納などを造作。猫型の穴が開いた台の中には、トイレを収納。フェレットも床で一緒に暮らしている
愛猫たちの部屋には、麻紐を巻いた爪とぎ柱と多種多様なキャットウォーク、観察窓と物見台、主寝室への階段と寝床を兼ねた収納などを造作。猫型の穴が開いた台の中には、トイレを収納。フェレットも床で一緒に暮らしている
「景色が良いところで暮らしたい」という、もうひとつのご夫妻の願いをかなえるため、LDKは眺望を最大限に生かすよう設計された
「景色が良いところで暮らしたい」という、もうひとつのご夫妻の願いをかなえるため、LDKは眺望を最大限に生かすよう設計された

大型犬でものびのびと。
ペットの動線
に配慮した住まい

家を建てる前から大型犬を飼っていたKさんご夫妻は、中学生のお子さんとの3人家族。新築に当たっては、愛犬がストレスなく動き回れて、家族とのんびり過ごせるスペースを確保したいと考えていました。

コンパクトな建築面積を有効活用した新居は、1階面積の半分が土間空間。一角には薪ストーブやソファも置かれていて、ゆったりとペットとの時間を過ごすことができます。建物の周囲を半周できるドッグランへ続く犬専用の小さな出入り口や、玄関横には帰宅後すぐに汚れを落とすことができるドッグシャワーもあり、実用性も充実しています。

そしてKさん宅には猫も1匹。2階LDKには大きなキャットケージや、柱を利用したキャットツリーなど、愛猫の居場所もつくりました。ペットとの暮らしを考えた家づくりで、ご家族も、愛犬・愛猫も最高に居心地のいい住まいとなりました。

犬とともに過ごせる広々とした土間。無垢フローリングとの境界は曲線になっており、美しく柔らかな雰囲気
愛犬とともに過ごせる広々とした土間。無垢フローリングとの境界は曲線になっており、美しく柔らかな雰囲気
土間の最奥部に書斎があり、犬が屋内外を往来できる小さな出入口が設けられている
土間の最奥部に書斎があり、愛犬が屋内外を往来できる小さな出入り口が設けられている
奥さんのアイディアで、玄関に入ってすぐの位置にドッグシャワを配置。雨や雪の日に散歩をしても、帰宅後すぐに洗える
奥さんのアイデアで、玄関に入ってすぐの位置にドッグシャワーを配置。雨や雪の日に散歩をしても、帰宅後すぐに洗えて便利
 

2階のリビングは開口部がふんだんに設けられ、明るく風通しのいい空間に。柱の一部をキャットツリーにしている
2階のリビングは開口部がふんだんに設けられ、明るく風通しのいい空間に。柱の一部をキャットツリーにしている
キッチンの右側にはキャットケージや猫との共用トイレがあり、猫はケージ下部の出入口から直接トイレに行くことができる
キッチンの右側にはキャットケージや猫との共用トイレがあり、愛猫はケージ下部の出入り口から直接トイレに行くことができる


ペットとの暮らしを考えた家づくりでは、家族の過ごしやすさをきちんとベースにおいたプランニングで、家族もペットもみんなが楽しく暮らせる環境づくりが大切です。どうしたらお互いに快適な家ができるのか、ご家族や設計者と相談しながらじっくり検討してみてくださいね。

(文/Replan編集部)