前回の「暮らしも仕事もうまくいく。職住一体の住まいの間取り集」で紹介した4事例は、住まいの一部に個人の仕事の空間のあるケースでしたが、職住一体の住まいの種類は他にもあります。今回はカフェや飲食店など、お客さんが出入りする「職」の空間と住まいがひとつになったケースをいくつかご紹介しましょう。どんなふうに公私を両立させているか、前の4事例とは違った工夫に注目です。
※掲載方法の都合上、図面の縮尺は一定ではありませんので、ご了承ください。
1階がカフェ、2階・3階が
住居の建築家自邸
■タイプ/家×カフェ
■家族構成/夫婦40代
建築家の自邸として建てられた住まいの1階部分は、奥さんが手がけるカフェと器のお店としてプランされ、店舗部分の入り口とプライベート部分の玄関はゆるやかに分離。一体型ながらも、上下階で職と住をきっちり分けた空間構成が、職のオープンさと住のプライバシーをほどよく共存させている事例です。
■設計/エープラス建築設計
■施工/トラストリフォーム
<Replan北海道 vol.117 掲載>
和食店を併設した
夫婦で職住を共にする家
■タイプ/家×和食店
■家族構成/夫婦30代、子ども1人
7000坪という森のなかに佇むWさん宅は、「川と森のある土地に家を建てて自然とともに暮らしたい」というWさんの念願を叶えた住まい。ご夫妻は和食店を1階に、2階を住居として家づくりを計画し、店舗と住居の玄関は別々に配置しつつ、内部で店舗へのアクセスも可能な間取りに。夫婦で職住を共にする好例です。
■設計・施工/佐々木建設
<Replan北海道 vol.101 掲載>
リノベマンションの一室を
ネイルサロンとして活用
■タイプ/家×ネイルサロン
■家族構成/夫婦20代
築40年ほどの中古マンションをスケルトン状態にしてからリノベーションしたYさん宅。ネイリストである奥さんのためのサロンを玄関側に配置することで、マンションでの職住一体を実現。サロンスペースの壁面やドアは店舗デザインのように、住居部分は単調にならないよう折天井として素材感が楽しめる工夫がなされています。
■設計/石森建築設計事務所
■マネージメント/仙台Rゲート
<Replan東北 vol.55 掲載>
今回紹介した3事例は、プライベートな仕事空間とは違って、お客さんと接する空間である分、上下階で分離させたり間仕切りドアをつけたりするなど、よりきっちり「職」と「住」を分けているのがわかります。そして2つの空間のテイストの差が、ちょうどいいオンとオフの切り替えスイッチになっているようにも思えますね。
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(文/Replan編集部)
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