家を建てる・買うことは、一生に一度の大きな買い物。間取りやインテリアなど、こだわりの実現ももちろん大事ですが、限りある予算を上手に使うことも大切でしょう。

家を持つときの経済的な負担を減らすため、国(国土交通省・環境省・経済産業省)では住居に関するさまざまな補助制度を設けています。その主な目的は、環境に配慮した長持ちする家を普及させること。新築や改修そのものだけでなく、環境にやさしい建材の採用や省エネな設備の導入によるものなど、一般ユーザーでは把握しきれないほど多くの種類があります。

そこで今回は、国が展開している主な住宅関連補助制度について簡単にご紹介します。(各制度名をクリックすると、それぞれのWEBサイトに飛びますので、補助金の詳細はそちらでご確認ください!)

ZEH支援事業

住宅のエネルギー消費量を削減し、環境にやさしい暮らしを実現するため、国が中心となって普及・促進している「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」。最近はテレビやWEB記事などでもよく見かけるようになり、一般ユーザーへの認知度及び、ZEHを手がけるハウスメーカーや工務店も増え、普及率が毎年上昇しています。このZEHには、全国一律で70万円定額の補助金が設定されています。

補助金額

70万円(定額)

ZEHの住まいの一例
ZEHの住まいの一例

住まい給付金

住まい給付金は、消費税率の引き上げで増える住宅取得者の負担を緩和するためのものです。住宅ローン減税は収入が多いほどその効果が大きく、所得によって効果が不均衡になってしまいます。そこで収入が少ない所得層に対し、住宅取得にかかる消費税の負担を軽くしよう、と設けられた制度です。そのため、収入が少ないほど給付額が多くなる仕組みとなっています。

収入額の目安(参考)

給付額

450万円以下

50万円

450万円超525万円以下

40万円

525万円超600万円以下

30万円

600万円超675万円以下

20万円

675万円超775万円以下

10万円

長期優良住宅化リフォーム推進事業

家を持つ方法は新築だけではありません。中古住宅を購入して、自分好みにリフォーム・リノベーションして、さらに長く使っていく方法もあります。古材を再利用することは、資源の有効活用にもつながります。この事業は、長期優良住宅のさまざまな基準をクリアし、丈夫で省エネな住宅にリフォーム・リノベーションした住宅に対し、その工事費等の一部に対し国が補助するものです。

分類

補助金額

評価基準型

上限100万円

認定長期優良住宅型

上限200万円

高度省エネルギー型

上限250万円

長期優良住宅化リフォーム住宅の一例
長期優良住宅化リフォーム住宅の一例

次世代住宅ポイント制度

次世代住宅ポイント制度は、消費税増税対策として2019年にスタートした新しい制度です。ZEHや認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅など各種基準をクリアした住宅に対してポイントが発行されます。ビルトイン食洗機や浴室乾燥機など、家事の負担を軽減する設備にもポイントが付きます。発行されたポイントは、以下のような商品と交換が可能で、詳細は今後こちらで公開される予定です。

 ・省エネ・環境配慮に優れた商品  ・健康関連商品
 ・子育て関連商品         ・防災関連商品
 ・家事負担軽減に資する商品    ・地域振興に資する商品

分類

補助金額

新築(1戸あたり)

最大35万ポイント

リフォーム(1戸あたり)

最大30万ポイント

認定低炭素住宅の一例
認定低炭素住宅の一例

補助金には、全国の各自治体が設けているものもあります。たとえば札幌市には、札幌版次世代住宅補助制度(市民向け戸建て住宅)という制度があります。札幌版次世代住宅基準における等級がベーシックレベル以上の戸建て住宅を新築する方に、建設費用の一部を補助するものです。各等級によって補助金額には差があり、もっとも等級の高いトップランナーは200万円もの補助金が支給されます。

等級

補助金額

トップランナー(UA値:0.18以下

200万円

ハイレベル以上(UA値:0.22以下

150万円

スタンダードレベル以上(UA値:0.28以下

80万円

ベーシックレベル以上(UA値:0.36以下

30万円

札幌版次世代住宅トップランナー住宅の一例

「補助金制度ってよくわからない」「本当にもらえるの?」など、いろいろ難しい部分があるのは事実です。でもせっかくの補助制度です。利用しなければ宝の持ち腐れ。自ら調べることはもちろん、地域の建築家や工務店、役場などにとにかくいろいろ相談してみてください!住まいづくりのプロのサポートもちゃんと受けながら、補助制度をうまく活用して、より満足できる家づくりをやっていきましょう。

(文/Replan編集部)