集合の面積は人数比例。給湯の省エネが特に大事
一方で図3の給湯をみていると、戸建では床面積の影響があまりありませんが、集合では大きく変化しています。一般に、給湯の消費エネルギーは、床面積ではなく、世帯人数に比例するといわれています。そして図4に示すように集合住宅では、床面積と世帯人数の間に強い相関があります。
集合であれば、家族人数やライフステージに応じて、フレキシブルに借り換えや売買ができるからかもしれません。コンパクトな単身向けでは世帯人数が少なく、大きなファミリー向けでは世帯人数が多くなり、その人数に応じて給湯などの消費エネルギーが大きく変化しているのです。
図5に、人数別の消費エネルギーを示しました。暖房は人数の影響をあまり受けませんが、給湯人数に応じて大きく変化することが分かります。
コンパクトで居住者が多い集合住宅においては、床面積に比例する暖房や照明・家電の割合は少なくなります。世帯人数次第で増える給湯の省エネが、特に重要といえるでしょう。
光熱費の主役は電気代
ここまでは、用途別の2次エネルギー消費量を見てきました。戸建では暖房、集合では給湯が特に大事だということが分かれば、効果的な省エネに役立ちそうですね。
次に、一番気になる光熱費、つまり「お金」を見ていくことにしましょう。図6に、エネルギー種別の年間のコストを示しました。
エネルギーコストの合計について全国平均を見ると、戸建で22.2万円、集合で14.5万円となっています。月平均で1万から2万円といった感じでしょうか。
全体に見て、電気の割合が大きいことが一目で分かります。特に戸建ではオール電化比率が高いこともあり、光熱費の3分の2程度を占めています。省コスト化にはまず節電、というのは間違っていないようです。
寒冷地では金額が増え、戸建の北海道では27.5万円、東北では24.6万円となっています。安価な灯油の割合が大きいのが特徴です。都市ガスは地域差が大きく、大規模なガス事業者が安価に供給している関東・東海・近畿で割合が大きくなっています。
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