道路に面していて平坦で四角く区切られた「家を建てるのに条件が良い土地」は、都市部の、しかも駅から近いなど好立地なエリアでは、探すことがなかなか難しいですよね。一方で、敷地に高低差があったり、多角形や道路に面する部分が少ない旗竿地は、意外と好立地のエリアでも残っていたりするものです。
そのようないわゆる「変形地」で、「スキップフロア」のあるプランは本領を発揮します。敷地に合わせてフロアをずらすことで生まれる開放感や、床面の高さや壁面の角度が変わることによる視覚的な楽しさは、スキップフロアならでは。今回はそんなスキップフロアの間取りプランで変化に富んだ住空間を叶えた、変形地の実例をいくつか、間取りや写真とともにご紹介します。
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建物を横切る大きな窓が
絶景を届ける変形地の家
風景が気に入って目をつけた土地は、周辺でひとつだけ残っていた変形地でした。これを逆手に取ってプランされたのは、美しいポプラ並木が望めるスキップフロアの間取り。1階はカーポートと寝室、バスルームなどでまとめ、主な生活空間となるLDKを2階に配置。吹き抜けの階段まわりをいくつものスキップフロアで構成し、建物内をぐるりと回遊するような動線としました。
特等席となるダイニング・キッチンからの眺めはまさに絶景。間仕切りのない2階のダイニングの大きな窓は、変形地をなぞるように斜めに設けられ、室内を横断するように陽射しが行き届きます。スキップフロアと変形敷地によって生まれた、絶景を楽しむプランです。
斜面のある三角形の敷地で、
緑豊かな景色を楽しむ
北東側に大きなマンションが建ち、およそ3割を急斜面が占める三角形の変形地。この住宅では、このマイナス条件をスキップフロアによって克服しています。プランは屋根からの落雪を考慮してLDKを地階から持ち上げて、そこから半階下げて玄関と水まわり、さらに半階上がったところを寝室と子ども部屋とするスキップフロアの構成です。
敷地の西側にある斜面へ向かって流れる勾配屋根によって、リビング・ダイニングからの景色は劇的なものになっています。さらに敷地形状に合わせた多角形の間取りによって、部屋のどこの窓からも西側斜面に広がる木々の緑が目に飛び込んでくるように考えられています。
台形の敷地を利用した
スキップフロアの半コートハウス
アカシアの木々が隣接する敷地は、台形な上に高低差もある土地。プランはこの変形地をうまく利用し、緑の環境を室内に取り込むことをポイントに進められました。緑の眺めを最大限に引き出すため、リビングは2階に配置し、家の形は台形の敷地をなぞるようカーポートと庭を挟むようにV字形としています。
さらに高低差を生かして、LDKから子ども部屋へ通じる動線や、玄関から長いホールを抜けた先をスキップフロアにして、室内で視線の移ろいも感じられる間取りとしています。変化に富んだ床面とV字形建物によって、外と内どちらの景色も軽快さと楽しさに満ちたものになっています。
変形していたり高低差があったりしても、スキップフロアのある間取りを取り入れることで、暮らしの空間はとてもリズミカルな楽しいものにすることができます。「利便性はいいけど、この土地で大丈夫かな?」と迷っている方は、ぜひ変形地でのスキップフロアのプランを参考に、専門家へ相談してみてはいかがでしょうか?
(文/Replan編集部)
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