家の中心を貫くホールは天井高8m。 上部は各居室とつながる窓が開けられている

周囲を住宅に囲まれた街中に建つ住宅です。住宅密集地なので、開口をどう開いても十分な採光は得られないことから、天井高を最大8m取ってすべての採光をトップライトから得るようにしています。ガラスから入る光は、普段生活する場所へ到達するまでに拡散され、空間に奥行きをつくりだしています。さらに、玄関と各居室の接点には、屋外と緩やかにつながる風除室的な空間も設けられました。限られた広さや条件の敷地でも、暮らす家族が素直に心地よいと感じる空間を実現した住まいです。

◎設計:(株)五十嵐淳建築設計事務所
◎施工:(株)橋本川島コーポレーション

玄関を入り、リビング・ダイニングへと向かう。上からの光、壁に反射する光が心地よく広がる

応接室からホール、玄関方向。ホールが内外の緩衝空間となり、光も温度も緩やかに変化していく
寝室から2階へ。まるで塔を上っていくような感覚

天井面に一番近い客間。上部から光を得ることの効率の良さに驚くほど明るい

リビング・ダイニング。窓のない壁に圧迫感ではなく包まれるような安心感を感じるのは、この高さと光のグラデーションが成す効果

応接室から上階の客間へと向かう階段。浮いているかのような軽やかな段板と降り注ぐ光が美しい
住宅街の中に建つhouse m。真っ白な窓のない箱が連なるその姿は、小さな美術館のようだ