細長い木を細かいピッチで張った、表情豊かなファサード。自らの手で塗った分愛着も深く、今後さらに深まる素材感も楽しみ

昼夜何台もの車が行き交う幹線道路沿いにある、平屋の住まい。「外壁に木を用いること」と「プライバシーを重視した空間」という要望をもとに、敷地をぐるりと黒い木の外壁で囲み、互い違いに配置した3つの中庭が設けられたコートハウスです。外から見ると窓のない家に見えますが、道路からの視線や喧騒をシャットアウトし内部への光をやさしく拡散させる工夫で、のびのびと暮らせる住まいとなっています。

◎家族構成:夫婦、子ども2人
◎構造規模:木造・平屋建て
◎設計:(株)ATELIER O2 大杉 崇
◎施工:(株)藤井工務店

3つの中庭が互い違いに設けられているので、どの部屋も庭と隣り合わせに。構造を現しにしたLDKの天井は、中庭に向かって上げて開放感を増幅

リビングから和室方向を見る。大開口と高窓から自然光がたっぷりと入り、明るい室内

キッチンの背面は扉を設けた隠す収納でいつでもすっきり。ダイニングテーブルまで一続きなので、食事の支度もラクにできる。奥のテラスドアからは、畑のある庭に下りることができる
リビングには、日向ぼっこや夕涼みをしたくなる縁側のようなデッキが。リビングから床がフラットにつづいているので、空間がより広く感じられる。黒い外観とは異なり、中庭側の外壁を白くしていることも、室内が広く明るく感じられる要因
寝室は窓が細長く落ち着いた空間。天井も低めで子ども部屋の窓のほうに向かって徐々に上がっている。窓の上は間接照明
まるで露天風呂のように、風に揺らぐ木々に癒される石張りの浴室
明るく、目の前には庭木と空が広がる子ども部屋は、将来2部屋に仕切ることもできる。秋になれば紅葉し、春には花を咲かせる、四季の移ろいが側にある暮らし
障子戸を通して静かな光が広がる和室。障子戸を引けば、中庭の雪景色も楽しめる風情あるしつらえ。壁は外装と同じ材を使用している
キッチンに面した庭で家庭菜園。穫れたてを食卓へ。このほか、ユーティリティに面した庭には物干しポールが備えられており、冬になると積もった雪で滑り台をつくり、お子さんたちのかっこうの遊び場になるそうだ
建物に組み込まれたカーポートからアプローチする玄関は、天候に左右されることなく車の乗り降りができる。玄関ドアを開けた瞬間に中庭からそそぐ光に包まれる
細長い木を細かいピッチで張った、表情豊かなファサード。自らの手で塗った分愛着も深く、今後さらに深まる素材感も楽しみ
細長い木を細かいピッチで張った、表情豊かなファサード。自らの手で塗った分愛着も深く、今後さらに深まる素材感も楽しみ