ダイニングの天井はスギ材、床は木目がきれいで丈夫なナラ材。蛍光灯はキッチンと浴室、手洗いに限定し、ほかはペンダントライトやスポットライトを使っている。光源を点在させることで、空間に奥行きを演出している

趣味の畑仕事を充実させる動線に工夫のある、平屋の住まい。玄関からリビングへ向かって低くなる高低差40センチメートルの天井高が印象的な、包み込まれるような空間デザイン。ペンダントライトを点在させた照明計画は奥行きを演出し、空間を広く見せるとともに、温かい陰影をつくり出しています。

◎家族構成/夫婦40代
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計・施工/(有)清水畑建設

ダイニングのシンボルになっている絵画はHさんのお母様の友人のもの。Hさんのご両親が家を建て替えた際、飾るスペースがなくなってしまいもらい受けたそう。シンプルな空間だからこそ、赤い絵画がよく映える

ダイニングの天井高は2.2m。一般的な天井より20㎝低くしている。暖冷房用のパネルは気流も機械音もなく、この夏も快適に過ごしたという
Hさんの要望だった廊下。実家にもアパートにも廊下があり、シーンの切り替えとして機能していたとのこと。「廊下を通ることで、仕事から家庭、家庭から就寝へと気持ちを切り替えています」

アパートの間取りを再現し、リビングは4畳半の畳敷きにした。腰板はベンチの背もたれのような傾斜を付けていて、体を預けても快適。開口部の下にパネルヒーターが埋め込まれている

カウンターは水に強く丈夫なクリ材を使用。上部は柔らかい手触りのホウノキ材。奥は三和土(たたき)の納戸を通って、外へ続いている
室内干しができるように設計されたランドリールーム。洗濯機から取り出して、すぐに干すことができる。マットやタオルを掛けられるタイプのパネルヒーターを設置し、快適性を高めている
寝室の入り口は障子戸。和紙の両面をコーティングした特殊な障子紙で、簡単には破けない。玄関から廊下の床材は硬くて耐久性のあるケヤキ材を採用
洗い出しの玄関は清水畑さんの自宅で見て採用。県産材を使った自社造作の靴棚。天板はセンノキ材の一枚もの。スポットライトと手すりは清水畑建設のどの物件にも付いているそう

住宅の顔は西面に。南面には隣家があるため、こちらをメインとして大きな開口部と縁側を設けた。駐車するスペースもあるので、畑仕事の後は西面に車を着けて収穫物を洗ったり、干す準備をしたりする