引っ越しの荷物の2/3を本が占めていたというIさんご夫妻のために設置した大容量の造作本棚は、1階をシンプルにしたかったこともあり2階ホールに設置。窓の向こうに山並みが映える見通しの良さも魅力

「長く住み継げる家」を大切にした住まい。吹き抜けのある開放的なLDK、ナラの無垢床や腰壁のパイン羽目板など、木の心地よさに満ちています。2階は個室と大きな造作本棚を設置したホールで構成。吹き抜けを介した上下階のつながりがもたらす開放感や、屋根なりの勾配と現しの梁や柱が深みを与える空間です。

◎家族構成/夫婦40代・30代、子ども1人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計・施工/シンハマホーム (有)新濱建設

大きな吹き抜けはIさんご夫妻の希望の一つ。「仕切りは極力省き、上下階ともにゆるやかにつながる空間を実現できて嬉しいです」とIさん

リビングの一角に設けた多目的スペース。ロールスクリーンや造作棚で仕切って部屋にしたり、ひとつながりのリビングとして活用したりと、ライフスタイルの変化に合わせて可変する。「子どもが生まれたばかりなので、キッチンに近いこの場所はミルクをつくるにも便利です」と奥さん

既製のキッチンは、造作の背面収納と組み合わせることで空間になじませた。カフェのような雰囲気が憧れだったという奥さんは、吊り棚は設けずにお気に入りのアイテムをディスプレイする飾り棚を選択

自然光で明るい洗面スペースは、ゆったりとした広さを確保。洗面台と収納を造作した

腰壁はパイン材の羽目板、床は節なしのナラの無垢材を採用。「水まわりは奥に集約し、キッチンは中心に。間取りも普遍性を考えてシンプルにすることを重視しました」とIさん。左に曲がると水まわりや2階へ向かう階段がある
リビングと連続するウッドデッキは、テーブルを運んで食事やお茶を楽しむ家族の大切な居場所の一つ

無落雪を目指し6寸にした三角屋根のIさん宅。士別産のカラマツを採用した外観が温かみを与える