ガレージと玄関ポーチは屋根でつながっており、天候を気にせずに出入りができる

平屋の親世帯と2階建ての子世帯を土間空間でつないだ完全分離型の二世帯住宅。太陽の光や風などの自然の恵みを最大限に活用したパッシブ設計で、「HEAT20」のG2レベルをクリアする高性能なエコハウスです。子世帯には薪ストーブを導入し、日々を楽しみながらも燃費のいい暮らしを実現しています。

◎家族構成/夫婦30代・40代、子ども1人、父
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/設計島建築事務所
◎施工/(同)negla設計室

土間棟の窓面には外付けブラインドを設置。ブラインドの上げ下ろしや羽の角度の調整で日射をコントロールしている
親世帯・子世帯の住居棟をつなぐ大開口の土間棟は、ヒートチムニーの役割を持つ。冬は床材の秋保石が日射熱を蓄えて、両世帯に熱エネルギーを供給。親戚が集まったときなどはこの空間を交流の場として使っている

太陽の光や風など自然のエネルギーを最大限に活かし、快適な住環境を調えるパッシブデザインの住まい。屋根・壁の300㎜断熱と木製サッシのトリプルガラスを採用し、大開口がありながらUA値0.24という高い断熱性を実現した

薪ストーブはドイツ・ブルナー社の「アイアンドッグNº07」。床全面に秋保石を敷き、炉壁をコンクリート造にすることで蓄熱性を高めた

LDKはスギ無垢フローリングや漆喰の壁などの自然素材で仕上げた内装で、優しい風合いに包まれている。キッチンはアイランド型で動線がスムーズ
トップライトから光を採り込むランドリールームは、洗濯の「洗う・干す」が移動なしで行える。窓を開けると風が抜けて、洗濯物も乾きやすい

大容量の収納を備えた対面キッチンは、隣家からの視線を遮るように窓を配置。料理好きな奥さんの希望でガスコンロを採用した

浴室、洗面脱衣室とランドリールーム、キッチン、ウォークインクローゼットをほぼ一直線に配置。効率の良い家事動線が、育児や仕事に忙しいご夫妻の負担を軽減している

敷地の一角に設えたSさんお手製の薪小屋には、たくさんの薪をストック。家を建てた際に余った木材も薪ストーブの燃料として利用している