家の四方に設けた大きな窓が、周囲の豊かな緑を余すことなく屋内に取り込む。軒の出の深いテラスの床レベルをリビングと合わせたことで、LDKに一層の広がりが感じられる

高台の住宅地に立つ、眺めの良い平屋の住宅。まず寝室や水まわりなどプライバシー性の高い空間があり、旋回するように半階上がると、パノラマに眺望が開けたLDK、さらにぐるりと半階上がると広いロフトがあります。構造壁も兼ねる中心のコアには、キッチン収納やトイレなどさまざまな機能を集約しています。

◎家族構成/夫婦40代、子ども1人、猫
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計/Ginga architects
◎施工/(株)リュクス

平らな大屋根を「フタ」に、住空間を「ハコ」に見立てた外観は、シンプルながらも確固とした存在を感じさせる
玄関は全面ガラスの引き違い戸。外壁に沿うように設けたエキスパンドメタルの大きな引き戸は、愛猫の脱走に備える工夫

構造壁も兼ねる中心のコアには、キッチン収納やトイレなどさまざまな機能を集約。造作したキッチンは、リビングと床レベルを違えることで視界の変化を生み出している

階段状の空間構成を利用して、ダイニングの片側を床を利用した掘りごたつのようなつくりに。リビングには階段状のソファスペースを設けた。段差が椅子やベンチとなり、家族は思い思いの場所で過ごせる

ロフトは今はお子さんの遊び場。奥さんが時折楽しむピアノの場所も設けた。
天井は低いが、座って弾くため意外と気にならないという

ダイニング・キッチンの脇には水まわりへと下る小階段。その壁面には本棚を造作してデッドスペースを有効利用
玄関ホールからは、左手の寝室、キッチン下に配した書斎スペース、階段上のLDKの3方向へアクセスできる。玄関土間と玄関ホールは、わずかな段差でゾーニングしている

玄関脇には、空間の一部が通路を兼ねる寝室を配した。ここからトイレ前を通ってLDKへと抜ける回遊動線が、暮らしの円滑な動きにつながる

リビング・ダイニング下には、自宅でも仕事をするAさんの書斎スペースを設けた。ほどよく籠もれて落ち着ける小空間

玄関上部のハイサイドライトの下部に回したキャットウォークは、愛猫の指定席。外を行き交う人や来客を静かに見守る