LDKからの眺望をより効果的に得るため、平屋のボリュームを2階建てに対して斜めに振って配置。建物の四角形と窓の正方形が呼応し、住まいの個性として外観デザインに立ち表れている

黒い大小の正方形をあしらったサイズ違いの2つの四角い木箱を組み合わせたようなユニークな外観デザイン。2階建てに対して斜めに配置された平屋はこの家のLDKで、東南に大きく開いた2面の大開口からは、隣地のりんご畑とその先に連なる山々の広大な風景が見渡せます。周囲の自然や遠くの山々の風景を採り込みつつ、雪深い冬の寒さも安心な、窓が印象的な美容室併用住宅が完成しました。

◎構造規模/木造・2階建て
◎家族構成/夫婦30代、子ども1人
◎設計/(株)蟻塚学建築設計事務所
◎施工/(有)長谷川工務店

コーナーを占める大きな窓は、できるだけ窓を全開放したときと同様に目の前の広大な風景を楽しめるよう、窓枠の見え方を最小限にしてデザインされている

床から天井までの高さを目いっぱいに生かしたコーナーの大開口が、家の中と外をシームレスにつなぐ。冬は窓の外一面が純白の世界。ご夫妻はリビングの床に座って、この風景の広がりを楽しんでいるという

キッチンは壁付けにしてゆとりのあるリビング・ダイニングを確保。奥さんが自ら目隠しカーテンを付けた小さな四角い窓越しに、外の気配が感じられる

寝室の西側にはサイズ違いのFIX窓。ここからは、周囲のりんご畑や岩木山、夕日が一望できる。室内の南北には換気・通風のための開閉窓を設けた

LDKと水まわりや美容室をつなぐ廊下も階段も、白い壁に反射した玄関上部の高窓からの光で、気持ち良い明るさ
外からの視線や人の動きが気になる窓には、薄手のカーテンをかけて目隠し。布を透過したやわらかな光が店内を優しく包む

1階の道路側半分ほどのスペースを奥さんの美容室として設計。心地よいこもり感で、お客さんもリラックスできる

玄関の上部の大きな窓から射し込む外光が、ガラスの間仕切り壁を介して、窓がない廊下や階段まわりを明るく照らす
玄関の上部の大きな窓から射し込む外光が、ガラスの間仕切り壁を介して、窓がない廊下や階段まわりを明るく照らす

公道側の外観は、大小の正方形の窓をリズミカルに配した印象的なデザイン。外壁材はクリア塗装仕上げの屋久島地杉で、経年変化が楽しめる

LDKからの眺望をより効果的に得るため、平屋のボリュームを2階建てに対して斜めに振って配置。建物の四角形と窓の正方形が呼応し、住まいの個性として外観デザインに立ち表れている

住宅性能の良し悪しに大きな影響を与える「窓」。特殊な構造で重量もあるLDKのコーナー窓は、施錠のための引き寄せ金具で気密性を高める工夫がなされている