水害対策として母屋の床レベルに合わせた高い基礎は、外からの目線を遮るとともに、居室としても生かされている。リビングの外のテラスは、コンパクトな住まいのプラスアルファの居場所に

築160年以上の母屋が立つ敷地の一角に、家族4人で住む新居を建設。将来、母屋に暮らすご両親と住まいを交換する可能性などを考慮した、延床面積が約26坪の平屋の住まいです。周辺環境を捉えながら視線の抜けを意識して窓を配置し、建物内の高低差を巧みに利用した設計で、コンパクトさを感じない豊かな日常の場が生まれました。

◎構造規模/木造・平屋建て
◎家族構成/夫婦40代、子ども2人
◎設計/(有)ハコプラスデザイン

リビングの折れ戸を全開放すると空間が周囲の景色と自然につながり、外との一体感が感じられて気持ちがいい

リビングからキッチンを見ると、テラスにつながる掃き出し窓の向こうに緑豊かな風景が広がる。ダイニング・キッチンの天井の形や高さの変化が、空間に奥行きを感じさせる

2面採光のダイニングは、窓と天井高の効果で約6帖とは思えない広がりを感じられる。丸テーブルはコンパクトなスペースにフィットしやすく機能的

寝室や水まわりに比べ、コンパクトに収めたキッチン。思い描くライフスタイルに合わせたメリハリのある空間の配分と回遊性の高い動線が、住まいの暮らしやすさにつながる

「視線が行き止まりにならないことが、広さを感じる重要なポイントです」と新妻さん。ダイニングの窓の方へ視線が抜けるよう、洗面台はあえてこの向きとした

ダイニングの両サイドに、高い基礎を生かした4.5帖の子ども部屋を設けた。はしごを上ると造作のベッド、ステップを下りると勉強机と収納があり、上下の窓が閉塞感を解消している

ダイニングの両サイドに、高い基礎を生かした4.5帖の子ども部屋を設けた。はしごを上ると造作のベッド、ステップを下りると勉強机と収納があり、上下の窓が閉塞感を解消している
リビング上部には屋根なり天井を生かした広いロフト。季節の衣類や布団、おもちゃなどを収納でき、来客時の寝室としても使える

ゆとりの広さを確保した寝室は、収納スペースも十分。書斎コーナーも併設している

玄関は2WAYで、通路の壁面を利用した大容量の造作棚には、家族4人の靴や生活用品をすっきりと収納。寝室やキッチンへもスムーズにアクセスできる
玄関ドアを開けると土間があり、その先のFIX窓越しに隣家の生け垣の緑が見える

Sさんの希望で設計された植栽スペース。お気に入りの鉢植えを並べて緑を楽しめ、道路からの目隠しにもなっている。床はグレーチングで、水やりがしやすい

水害対策として母屋の床レベルに合わせた高い基礎は、外からの目線を遮るとともに、居室としても生かされている。リビングの外のテラスは、コンパクトな住まいのプラスアルファの居場所に