「家族が集える空間にしたい」という奥さんと、「友人たちを呼んで自作の料理でもてなしたい」というご主人の要望を受けて完成した、ダイニング・キッチンを家の中心に据えたプラン。ウッドデッキと庭に向けて開いたオープンな対面式のステンレスキッチンと、ウォールナットのダイニングテーブルを、同じ高さで一体化させた「ストレートダイニング」としました。暮らしの真ん中にあるキッチンから、たくさんの笑顔が生まれる住まいです。

◎家族構成/夫婦40代、子ども3人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/早川徹建築設計室
◎施工/(株)リュクス

高火力のガス台の下には業務用を参考に、鍋やボウルの収納棚を製作。その背面には、レンジ、炊飯器などの家電製品やダストボックスを組み込んだ縦型ラックを造作した。背面造作収納はダイニングテーブルの端まで延びる幅広設計で、扉付きの収納棚とともに、お気に入りの器を飾れるディスプレイ用の棚も設けている
キッチンとダイニングが横並びに一体化した「ストレートダイニング」は、家族が集いやすく、配膳や片付けもしやすいことから、最近の住宅で採用が増えているレイアウト。キッチンに立つと、正面に広い庭を見渡せて気持ちがいい。また掃き出し窓を開けるとダイニング・キッチンとウッドデッキがつながり、大人数でバーベキューをするときなどに便利
ステンレスやコンクリート、アイアンを取り入れたハードな素材感のキッチンに、ウォールナットの天板を用いたダイニングテーブル、タモとラワン材で造作された背面収納など木のやわらかさが映える。そこに奥さんの強い要望で実現した白いレンガ壁がプラスされ、カフェを思わせるインテリア性をまとった空間に仕上がった
Tさんの希望で暖房には薪ストーブを採用した。冬の間は、火を眺めながら日常を過ごしている
ダイニングを集う場に位置づけたため、リビングは少しコンパクトに設計されている。ブラックウォールナットの床や薄塗りの漆喰壁でナチュラルな雰囲気
洋裁作家である奥さんのアトリエは、キッチンから続く土間仕様。間仕切りには黒い格子の内窓を用いて、視界の広がりや採光を確保した
日中の大半をキッチンと仕事部屋のアトリエで過ごすという奥さんのために、キッチンの裏手にアトリエを配置。キッチンから浴室やランドリールームを結ぶ廊下も極力短く設計されており、日々の家事の負担を軽減している。玄関からシューズクローク、パントリー、アトリエへとつながる裏動線も使い勝手が良い
日中の大半をキッチンと仕事部屋のアトリエで過ごすという奥さんのために、キッチンの裏手にアトリエを配置。キッチンから浴室やランドリールームを結ぶ廊下も極力短く設計されており、日々の家事の負担を軽減している。玄関からシューズクローク、パントリー、アトリエへとつながる裏動線も使い勝手が良い
水平方向に張った黒いガルバリウム鋼板仕上げで、洗練された印象の外観。道路に面した北面には窓や開口部を極力なくしてプライバシーを確保
建物を敷地の北側に寄せて、南側に広い庭を設けた。1階はL字型のレイアウトで、その内角にウッドデッキを配している