リノベーション前は3つの個室に仕切られていた2階。可能な限り間仕切りを取り払い広々とした一室空間にすることで、どこからでも周囲ののどかな景色を楽しめるカフェに生まれ変わった

かつて企業の研修施設として建てられた建物を、住まいを兼ねた自然食を中心としたマクロビオティックの料理教室・カフェとしてリノベーション。鳥海山や日本海への眺望を建物内に取り込み、最大限生かすために既存の建物の1階と2階を逆転して、2階をワンルームの開放的なリビング・ダイニングとしています。眺望に加えて丘陵地を吹き抜ける風を利用した自然通風・自然換気を実現。屋外の豊かさを内部に取り入れながら、快適な時間を過ごせる空間となりました。

◎家族構成/夫婦50代
◎構造規模/戸建て(築20年)
◎設計/(株)アーキテクチュアランドスケープ一級建築士事務所
◎施工/(有)タカハシ建装

既存の構造を巧みに利用しつつ、建物の性能を高めている。一部の窓には木製の内窓を施し、断熱性能を高めつつデザイン性もアップ
力強い構造が現しになった壁・天井。可能な限り開放感を高めるため、鉄製のブレースなどを採用している。天井は一部ロフトを増設し、収納などに活用
晴れた日には日本海まで見えるというテラス。高台ならではの贅沢な眺めだ。テラスの手前には料理教室に使うレクチャースペースを準備
鳥海山が見える特等席のカウンター。席に腰掛けると目の前に美しい畑、その先に山並みを望むことができる。景色を切り取るようなスリット状の窓が効果的
1階の和室はゲスト用。土間とつながっているため、冬には薪ストーブの炎を楽しめる安らぎの部屋となる
和室から土間方向。らせん階段や吹き抜けを介して上階の様子が伝わる。一体感のある空間構成
新たに新設したポーチから内部へ入る。ギャラリーとしても使える広いホールの先には軽やかならせん階段が。その上がカフェ空間になっている
外観は既存の外壁を利用しつつ焼杉をあしらってどこか懐かしい表情に。意匠的な効果だけでなく躯体を守る役目も果たしている