間仕切りをつくらないことで生まれるそれぞれの読書スペース。コミュニケーションが取りやすいメリットも

「本に囲まれて暮らしたい」そんなイメージを叶えるために、1階を寝室や浴室などのプライベート空間に、2階をLDKとして間仕切りのない空間として壁の三方に書棚が造作された住まい。書棚やキッチンの上部にぐるりと窓が設けられ、屋根なりに方形となっている天井に、陽の光がやわらかく反射するように設計されました。書棚前のソファで、テーブルで、時には小上がりで、自然光に満たされながら読書を楽しめる住まいとなりました。

◎家族構成/夫婦30代、子ども1人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/堀尾浩建築設計事務所
◎施工/(有)脇坂工務店 

書棚の手前の空間が違うことによって、本を読む楽しみ方も広がる

小上がりで寛ぎながら読書を楽しむスペースは、子どもとの触れ合いの場でもある

造り付けの書棚がL字型に設置された図書館のような空間

LDKの中心にある柱の上部は排気口としても機能し、壁の足元に数ヵ所設けられた給気のための小窓とともに部屋の空気環境をコントロールする

趣味の洋裁や編み物をするための造作机のコーナーは奥さんのお気に入りの場所。ソーイングテーブルは天板がスライド式で、中で仕切られた小物がさっと取り出せる便利な仕組み

ダイニングテーブルは大きな楕円からコンパクトな円形に変身できる優れものだ

新居の計画に合わせてサイズや色のトーンを揃えて選んでいる

360度巡らせた開口部からの光は、季節や時間によって天井に異なる陰影をつくる
1階の寝室は寝ぼけて落下するのを防ぐためにベッドの両端を壁つけにしてもらい、下部を収納としている
玄関と洗面まわり。洗面の鏡も北欧のモノで、右手の収納とサイズが揃っていてセンスを感じる
外観はHさん夫妻が好きな本の1つである「ムーミン」に出てきそうな素朴な佇まい