迫力の大開口は出窓に。コーナー部分も視線が抜けるという利点のほか、ベンチとして、机として、インテリアを飾る棚として…暮らしを豊かにする場でもある

東西に長い敷地を生かした大開口のある住まい。2階南側に並べて配置したリビング・ダイニング・キッチンには、ペアガラスを用いた長さ約9mのフレームレスの大窓を配置し、高断熱ながら開かれた居住空間となっています。出窓になっていて、コーナー部分も視線が抜け、ベンチとして、机として、インテリアを飾る棚として、暮らしを豊かにする場となっています。

◎家族構成/夫婦、子ども1人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/(株)遠藤建築アトリエ
◎施工/コーユー創建(株)

パネルヒーターは出窓のカウンター下にすっきりと収められ、細長く開いたスリットから上る暖気が、窓の結露と冷気流を防止ナラ材でしつらえた壁面収納とフローリングで、洗練された印象がありながらぬくもりも感じさせるリビング。正面の窓は隣家があるため曇りガラスで視線を入れずに採光

華奢な手すりも美しい階段室。敬遠されがちな北向きの窓は、涼しさを得たい夏には大きな効果を発揮する
 
階段室は2階の他の部屋よりも天井が高くなっており、北側以外の3面に窓がある
各室へ明るさを送る光井戸であり、換気の機能もこなす重要部分
出窓の下に設置された「ベンチレーター」と呼ばれる換気用の開口と階段室最上部の高窓を開ければ、外気が滑るように入って高窓から抜けていき、夏は特に重宝する
LDKに長さ約9mの大開口。開放感もさることながら、暖かさを得る冬の日射利用と暖房計画、涼しさを得る換気計画も見事な事例だ
2階テラスを囲うようにめぐらせたルーバーは、外部からの視線は遮るが風は通してくれる優れもの。玄関ポーチも曇りガラスでやわらかく目隠し