和の趣が印象的な外観。駐車スペースにかかる庇を広くとり、訪れる人にも優しいつくりとなっている

『ヒュッゲ』の思想を家づくりのベースとして、自分が心地よくくつろげる空間を気の合う仲間と共有したい、という思いで出来上がった住まい。リビングや水まわりなど生活空間は極限まで機能的に使えるように徹底的につめる一方、人が集う空間はゆとりと心地よさが追求されています。寄り付きのベンチや、膝を崩して座れる和室、茶室を彷彿とさせる上品な設えが訪れる人を楽しませます。

◎家族構成/本人60代
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計/(株)蟻塚学建築設計事務所
◎施工/(有)長谷川工務店

茶室の寄り付きをイメージしたベンチ。半屋内のような空間で、ご近所さんとのおしゃべりにも花が咲く
正面の襖紙が張られた引き戸の向こうが和室。やや低めの出入り口、斜めの天井も和のテイストながら、間接照明や花あしらいでモダンに
フローリングの延長のようなウッディな造作の収納壁面と北欧テイストの家具で温もりのある空間に。愛用していたアンティークのダイニングセットを処分し、華奢なラインの家具で軽やかにまとめた
どの部屋の窓からも、それぞれ趣の違う庭が見える。造園は現在進行中で、今後の楽しみだとか。ここから見える庭には果樹を植える予定
家事室側から見たキッチン。回廊でつながっていながら、タイルを使うことで他の部屋とは切り分けられた印象に
Sさんたっての希望で実現したうすいオリーブ色の壁。カジュアル過ぎずシックで、長年愛用しているアンティークチェアもしっくり合う。窓の外のテラスは夕涼みの場所になっている
家の中心にあるパウダールームは、日中は天窓から降り注ぐ陽射しが白い空間に広がる
寝室は和紙で有名な美濃の紙を壁に使って柔らかなニュアンスに。障子を通して射し込む光の陰影が美しい
京都の老舗名旅館のとある一室の魅力をぎゅっと凝縮して表現したという和室。陶板を敷いた三和土や飛び石のある坪庭含め、細部にまで伝統文化へのリスペクトがありつつ、照明やモダンな家具が溶け込んでいる
京都の老舗名旅館のとある一室の魅力をぎゅっと凝縮して表現したという和室。陶板を敷いた三和土や飛び石のある坪庭含め、細部にまで伝統文化へのリスペクトがありつつ、照明やモダンな家具が溶け込んでいる