一続きになったリビングとダイニング・キッチン。目隠しの格子は部屋のア クセントにも

寄せ棟の段屋根とポーチ部分の石張りが高級感を感じさせる住まい。玄関を開けると、広々としたホールに重厚なケヤキの柱や梁、そして奥に望む裏庭の緑が落ち着いた雰囲気を醸します。平屋でありながら明るく開放感を演出する吹き抜け、深い軒を利用しくつろぐことのできるテラスなど、「老後をゆっくりと快適に過ごしたい」という希望を叶えるための工夫が随所に凝らされています。

◎家族構成/本人60代
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計・施工/(有)斉藤工匠店ダイニング上部にはケヤキの梁を活かした吹き抜けが。窓の外の緑 は、屋内に安らかな雰囲気をもたらす和室の設えも床の間風の板敷きにアールの垂れ壁を施すなど、細かな工 夫がトイレも洗面室も、ゆったりとした広さを確保したユーティリティは寝室と直結しているので、最短距離で身支度ができる寝室には、庭の景色を存分に望め、ポーチへ出入りもできる大きな窓を設 えた

圧巻の玄関ホール。Nさんが用意したケヤキは梁や柱のほか、式台や 和室にも使われている
リビング外のポーチ。「昔の縁側のように、ここでお茶を飲むのもいい ですね」と娘さん

高台に建つNさん宅の外観。高村光太郎の詩集『智恵子抄』の中で “ほんとの空”と謳われた空が頭上に広がる