道南スギを張った直線的な外観は、周囲の緑に溶け込むよう。公道に面する部分は、外部の目線を遮るよう開口を抑えた

子育てを終え、これからの人生を夫婦で楽しく過ごしたいと建てられた平屋の住まい。暮らしの中心となるLDKは、内側に続くウッドデッキから緑の庭へと大開口でつながり、プライベート感たっぷりのつくりとなっています。大きな特徴は「活用する庭」と「鑑賞する庭」という動静異なる二つの中庭。風や光、視線を上手くコントロールでき、暮らしの楽しみが広がる空間となりました。

◎家族構成/夫婦50代
◎構造規模/木造・平屋建て
◎設計/エープラス名古屋英紀建築設計室 一級建築士事務所
◎施工/(株)生杉建設

中庭を一望するリビングの大開口には、特注のトリプルガラス高気密サッシを採用。リビングからテラスへ出入りもできる

リビングの造作テレビ収納の背後は和室。天井には換気窓が設けられ、平屋でも換気がスムーズに行えるよう配慮。高さ感を演出する効果もある

大容量の造作背面収納を備えたキッチン。テレビ収納と同じ面材を採用。間接照明のみで構成されるLDKは、生活シーンに合わせてさまざまな光が楽しめる

セラミック天板を採用したアイランドキッチンは、名古屋さんデザインの造作。坪庭を望む窓は、採光と換気を兼ねる
寝室の動線は造作ウォークインクローゼット、フリールーム(予備室)にそのままつながっている
DKに隣接する主寝室。間仕切り壁と天井の間には、光と空気の通り道となる開口が設けられている。北側の坪庭も窓越しに楽しめる
玄関ホールからLDK側を見る。間仕切りの壁や造作収納は同じ高さで統一することで、端正で開放感のある空間を実現
玄関ホールの石タイルを採用した壁の奥は、利休畳とカバの板畳がモダンな和室。さまざまな素材が美しいハーモニーを奏でる
趣味スペースを兼ねる組み込みガレージは、玄関横のシューズクロークとつながり、室内に直接アクセスできる
黒とグレーを基調に整えられた室内で、トイレだけはラメ入りのガラスタイルを用い、明るく華やかな印象に仕上げた
黒を基調にしたシックな佇まいの玄関まわりには、2種類の苔を市松模様に配した植え込み。緑の濃淡と黒い外壁のコントラストが美しい
新居に住むようになって、庭の手入れもHさんの休日の仕事になった。「機能的なメンテナンスツールを探すのも楽しみ」とHさん