キッチンからリビングを見る。構造用合板を素地で使った天井の仕上げがアクセントにもなっている、開放的な空間

「自分たちの生活の身の丈に合った、小さな家で暮らしたい」という願いから生まれた、延床面積およそ18坪のミニマムな住まい。片流れの屋根とスギ張りの外壁がスタイリッシュな山小屋を彷彿とさせます。リビングとキッチンの間には段差を利用したダイニングスペースを設け、居住空間の中心に。人の視線に適度な抜けをつくることで面積以上の広さを感じるつくりとなりました。

◎家族構成/夫婦30代、子ども1人
◎構造規模/木造(在来工法)・2階建て
◎設計/(株)井上貴詞建築設計事務所 
◎施工/(株)加藤建築

寝室から土縁越しに庭を眺める。視線方向に床面が下がっていくことで奥行き感が増し、視覚的に広がりを感じさせている

リビングからキッチン方向を見る。左手の寝室はリビングからさらに20㎝ほど上がり、安堵感をもたらしている

1階のリビングは土縁から40㎝ほど上がっている一方で、キッチンは土縁と同レベルでプランニング。リビングの床座と視線が合う配慮がなされている
スタディコーナーは階段上に配置され、書棚と造作机が設けられている。家族共有のスペースとして活用されている
2階スタディコーナーからリビングを見下ろす。家の心地よさを知っている猫は、ほどよく陽の当たる階段もお気に入り
土縁から玄関方向を見る。土縁が外とのゆるやかな境界になっていて、視覚的なゾーニングが成立している
玄関から土縁を見る。キッチンまでの生活動線も加味した間取りで、木製ルーバーによるかすかな目隠しが効いている
片流れの屋根とスギ下見板張りの外壁が印象的。スタイリッシュな山小屋を彷彿とさせるミニマムデザインだ
南側は広い庭に面して大きな開口部を設けた。土縁(どえん)と呼ばれる、この土地ならではの空間が心地よい