リビングからダイニング・キッチンを見る。天井は屋根なりの仕上げとして高さを確保し、色数を抑えた内装によってシンプルで開放感のある空間となっている

福島市の中心部にある静かな住宅街に建つ、築40年ほどの平屋をリノベーションした住まい。躯体や断熱に優先順位を置いて、先々まで安心して暮らせる快適さを求めてプランされています。ご主人が障子や和室といった和のテイスト、奥さんは映画「かもめ食堂」のイメージが好みで、キッチンをはじめとした水まわりに北欧テイストを希望。2つをうまく融合させた内装は、素材などの色数を抑えた落ち着きのある雰囲気を醸しています。

◎家族構成/夫婦30代、子ども2人
◎構造規模/戸建て(築37年)
◎設計・施工/(株)ADX(旧(株)Life style工房)

和室からダイニング方向を見る。サッシは既製で最大のサイズを選ぶなどコストコントロールも行い、その分をこだわりの内装に当てた

 
リビングからダイニング・キッチンを見る。天井は屋根なりの仕上げとして高さを確保し、色数を抑えた内装によってシンプルで開放感のある空間となっている
キッチンの収納は奥さんのこだわりが十分に反映された。それまでの暮らしで培ったノウハウが詰まった使い勝手のよさが光る収納棚
キッチンは同じ木質材料を使いつつも、表面の加工などの細かな部分で違いを見せ、飽きのこないていねいな仕上げとしている
 
リビングはゆとりのある空間とし、背面には見せる収納を一面に配置。収納のグリッドは無印良品のBOXをモジュールにしている
キッチンからの眺め。「リビングを中心に家族が集まれるように」とはご主人の希望。天井と壁が交わる部分は予備の収納スペースだが十分に足りているそう
ご主人の要望のひとつだった和室。奥さんが好む北欧テイストにも調和するよう、大ぶりの琉球畳や一部にタイルが使われている
寝室は仕上げもシンプルで、陽の光が射し込む明るく落ち着いた雰囲気に
玄関まわりは北欧テイストに。造作の収納は土間側の下部を空けて、高さのある傘やベビーカーも収納できるよう配慮されている
洗面スペースは奥さんたっての希望で横一面の大型鏡面に2つの洗面ボウルを設けた。木とタイルにセンスを感じる爽やかな空間
 
外装はごく簡単に手入れをしたのみ。夏はバーベキューのベンチに、冬は日向ぼっこをしたりと活躍するウッドデッキは、ご夫妻の要望を叶えたもの