玄関を開けると、目の前に薪ストーブを据えたリビングが広がる

本当に好きなモノだけに囲まれた暮らしを実現するため、江別市の住宅街に建てられた古材と国産材、道産材を生かした木造2階建ての住まいは、延床約28坪。木のぬくもりあふれるミニマムな空間は、山荘のような佇まいです。暖房は、薪ストーブのみ。「家づくりで暮らしが一変しました。わが家にテレビはありません。季節の移ろいを映す庭や防風林はいくら眺めても飽きることなく、写真を撮る楽しさも教えてくれました。退屈している暇はありません」と奥さん。夫婦でゆっくりと会話をしながら夕食をとるのが、週末の楽しみになりました。

◎家族構成/夫婦40代
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計・施工/武部建設(株)

日射を最大限に取り入れられるよう、リビングの開口はあえて斜めに振って、真南に配置。床材は足触りのあたたかさが気に入って採用したヒノキの無垢材

リビング中央に設置したストーブは、広い天板を利用した煮込み料理や湯沸しにも無駄なく活用
タモ材の古梁を柱に採用。古材を豊富にストックしていることも、ご夫妻が武部建設を選んだ決め手になった

防風林を眺めながら家事ができるキッチンは、使い勝手に合わせて造作。古材を用いたカウンター裏も、収納棚になっている

2階からリビングを見る。一日の大半を家で過ごす奥さんにとって、薪ストーブは暮らしの友。薪の扱いも手慣れたもの

吹き抜けのリビングは開放感たっぷりで、家中が暖かい。床を毎日ほうきで掃いてから拭くという昔ながらの手入れも、奥さんの楽しみ

 
階段の踏板はセンやタモ、カツラ、ナラなどの古材。手すりにはヒノキを採用。天井には間伐材の耳付きカラマツを活用したルーバーを
防風林と畑地の四季の彩りを一望する2階の書斎コーナー。この景観が、土地取得の決め手になった
2階の書斎コーナー横に設けた大容量のウォークインクローゼットは、唯一の個室、寝室へも動線がつながっている
浴室には、防風林の風景を絵のように切り取った窓。空間がシンプルになるほどに、こうした意匠が際立つ
家の前に設えたカーポートには、裏の林から集めた焚きつけ用の小枝が整然と積まれて
Aさん宅の裏手には、防風林が数キロメートルにわたって延びている。野鳥やリスが遊ぶ林は、ご夫妻お気に入りのもう一つの庭