吹き抜けの天井カーテンを広げれば、カーテンの上にエアコンの風がまわり、2階へ冷気や暖気を運ぶことができる。高断熱仕様のため、エアコン1台で家中の冷暖房が可能

ダイナミックな吹き抜けが頭上に広がる開放的なリビング。高窓から射し込む外光と、水盤からの反射光がリビング背面にあるダイニング・キッチン空間も明るく照らす。住宅性能を高めつつ、省エネルギーの未来を考え、南面の外壁には太陽光発電のパネルも設置。最大限に自然光をとり込み、風の通り道となるよう「ギャラリー」と名付けた中庭を設け、効果的に開口をレイアウト。中庭を東西に長くすることで、玄関や北側の部屋、2階の浴室などにも十分な採光が確保されたゆとりの住まいです。

◎家族構成/夫婦30代、子ども3人
◎構造規模/木造・2階建て
◎設計/松浦一級建築設計事務所
◎施工/(有)松浦建設

ダイナミックな吹き抜けが頭上に広がる開放的なリビング。高窓から射し込む外光と、水盤からの反射光がリビング背面にあるダイニング・キッチン空間も明るく照らす
収納をたっぷりと設け、スタイリッシュに仕上げたLDK。吹き抜けの上部に小窓を設けることで、夏に南東から吹いてくる卓越風が1階リビングから2階寝室へと抜ける

寝室とつながるウォークインクローゼットの奥には、メイクカウンター付きの奥様専用の空間がある。ヨガやアロマなどを楽しみながら、ゆっくりとくつろげる小さなサロン空間に仕上げた
2階南側に設けたゲストルームはギャラリーからアクセスする。スキップフロア下の扉の中には1階和室からのエアコンの暖気、冷気を取り込む小窓が設けられている
玄関脇に設けた「ギャラリー」と呼ばれる中庭空間は、2階の屋上庭園へつながる。東西に長いギャラリーは、光の入りにくい室内を明るくする、もうひとつの南の壁面にもなっている
夏の強い陽射しは、庇と庭に植えられた広葉樹が遮る。また、庭に張られた水が照り返しを大幅に低減。逆に太陽が低くなる冬には、大きな開口から部屋の奥までたっぷりと外光が入る。パッシブソーラーの思想に基づいた設計も、心地よさを支えている
最も陽当たりの良い南面の壁に太陽光発電のパネルを設置。白を基調にした外観のアクセントに黒を用いることで、存在感のあるパネル自体もまた意匠のひとつに