建築家や設計事務所とタッグを組み、デザイナーズ住宅や店舗を数多く手がける共栄ハウジング。高断熱・高断熱で省エネで快適な住まいを、一棟一棟心を込めてつくり上げています。そんな同社のもう一つの柱が、建築家や設計事務所との仕事で培った技術や感性を活かしてつくる「rustic+factory」です。
「rustic+factory」は、アンティーク&ヴィンテージを基本に、漆喰や無垢材などの自然素材を使ったオリジナルの注文住宅ブランド。カフェテイスト、カントリーテイストなど、住まい手の好みに応じていかようにもデザインが可能です。なかでもSさん宅で採用された「インダストリアルスタイル」は、無骨で無機質な工業デザインをテーマにした一軒です。
アイアンやレンガ、パイプ、アンティークガラスなどで装飾された室内は、まさに「カッコいい」という表現がぴったり。階段の手すりに使ったアイアンはわざと風雨にさらして錆びさせる、新品の照明にもわざわざエイジング加工を効かせるなど、細部にまでヴィンテージ感を追求している点にも注目です。家具をはじめ、ステンレス天板のキッチン、モルタル仕上げの洗面台なども同社の造作によるもの。クールで洗練された、統一感のある空間が魅力です。
とはいえ、インダストリアルテイストにありがちな単なる無骨で無機質なイメージに留まらず、不思議と安らぎを感じる空間となっているのは、漆喰や無垢材などの自然素材のなせる技。無垢床や梁にダメージ加工を施したり、壁に足場板として使われていた古材を張ったりと、こちらにも経年変化感を演出することを忘れていません。
間取りは1階が水まわりと奥さんのご両親の寝室、2階がLDKとご夫妻とSさんのお母さんの寝室。1階は将来に備えバリアフリーとし、引き戸や幅広の廊下を採用しました。LDK部分はスキップフロアとなっていて、視覚的な面白さも伴っています。
性能面では付加断熱を取り入れ、高断熱・高気密を実現。暖房は1階の基礎蓄熱床暖房がメインですが、大きく取られた吹き抜け代わりの階段を通し、2階にまでしっかりと暖気が行き渡ります。「わが家の寒がりのお年寄りたちも、暖かく過ごせるのが一番嬉しいと言っています。親孝行ができました」とSさん。殺菌効果のある漆喰壁のおかげか、お母さんの花粉症やSさんのぜんそくも症状が治まったそうです。
大好きなテイストに包まれて暮らす楽しさを実感しているというSさん。「家で家族とのんびり過ごす時間が増えました」と話してくれました。