安心で充実した薪ストーブライフに欠かせない存在。それは、薪ストーブを深く理解しサポートしてくれる地域の薪ストーブ店です。今回は、地下鉄東西線の円山公園駅より徒歩5分のビルの1階にショールームを構える、札幌市中央区の北海道リンクアップさんをご紹介します。

地下鉄東西線の円山公園駅のほど近く、朝日ビルの1階にある北海道リンクアップの事務所兼ショールーム。半円形のグリーンのドームが目に留まる
地下鉄東西線の円山公園駅のほど近く、朝日ビルの1階にある北海道リンクアップの事務所兼ショールーム。半円形のグリーンのドームが目に留まる

雷に打たれたかのような衝撃を受け
薪ストーブの世界へ

設立して今年21年目を迎えた北海道リンクアップの代表、唐牛宏さんが薪ストーブに出会ったのは今から33年前のことでした。旭川市の百貨店でお客様にインテリアを提案する仕事に携わっていた唐牛さんは、たまたま訪問したお宅でモルソーの薪ストーブを目にします。

当時のモルソーの薪ストーブはガラス面がなく、鋳物の扉を開けて炎を楽しむスタイル。燃え盛る炎のゆらめきと、薪ストーブに施されたレリーフの美しさに「雷に打たれたような衝撃を受けました」と唐牛さんは振り返ります。

北海道リンクアップの代表、唐牛宏さん
唐牛さんが衝撃を受けたという当時のモルソーの薪ストーブ。今と異なり、扉を開けると中の炎が見える。側面にはデコラティブなレリーフが施され、インテリア性が高い

この邂逅ですっかり薪ストーブに魅了された唐牛さんは、何かに突き動かされるようにすぐさま行動。手を尽くして情報収集し、知識を蓄えます。またモルソーの薪ストーブを取り扱っていた札幌市宮の森のインテリアショップに出向いて働きかけ、衝撃の出会いから1年後には、職場の百貨店に薪ストーブを置いて、お客さんに導入を勧められる体制を整えたといいます。

探究はなおも続きます。「勉強させてほしい」とお客さんの家に足繁く通い、時には泊りがけで薪ストーブの燃え方を見たり、温かさを体験させてもらったりしたことも。やがて「薪ストーブのことをもっと知りたい!」との想いから、当時まだ独身だったにもかかわらず、一戸建ての新築を決意。28歳にして、自身で設計した薪ストーブのある家を建てました。

旭川を離れることになり、たった2年で自宅を売却しましたが、「自ら試行錯誤しながら使い勝手や使い心地を体感して、経験に基づいた知識をお客様に伝える姿勢は今も変わっていませんし、その大切さは社員にも伝えています」と唐牛さんは話します。

唐牛さんが自らイラストや文章をまとめた薪ストーブの説明書き。溢れる熱意が伝わってくる仕上がり
唐牛さんが百貨店勤務時代に作った薪ストーブの説明書きや提案書。自らイラストや文章を書いてまとめた。薪ストーブへの溢れる熱意が伝わってくる

ライフスタイルに合う
薪ストーブを提案

旭川から札幌へ移り、薪ストーブの設計や施工のノウハウを学んだ唐牛さんは「やるからには、薪ストーブ生活をすべての面で支えられなくては」と1998年に北海道リンクアップを設立。現在は札幌本店のほか全道6ヵ所の支店およびグループ店と連携し、安心のメンテナンス体制と薪を安定供給する仕組みを整えて、ユーザーの薪ストーブ生活をサポートしています。

ショールーム内の様子。壁沿いに室内を囲むように薪ストーブが陳列されている
薪ストーブ生活を彩るアクセサリや役立つメンテナンス用品も充実

ショールーム内にはさまざまな種類の薪ストーブが置かれていますが、「どれが人気、というのはないですね」と唐牛さんはいいます。その理由はお客さんのライフスタイルや要望、性格によって、ふさわしい機種のタイプが違うから。

メイン暖房に使うのか?それともサブ暖房で使うのか?毎日焚くけど共働きだから夜だけなのか、それとも日中も家に人がいてずっと焚き続けるのか?とにかく簡単に扱えるのがいいのか、少し操作にコツが要るほうが楽しめるのか…。「寒くなると毎日使うものだから、使うのがストレスになってはいけないと思うんです。なのでまずは、ご家族の暮らし方や性格、デザインの好みなどを聞いて、すべての条件を満たしそうなものをご提案します」。

相談のタイミングは
家づくりを始める前!

薪ストーブの導入に際してとても大事なのが、初めて相談に行くタイミングです。唐牛さんは「少しでも興味を持ったら、家づくりの計画が進む前にまずお店に来て、薪ストーブがどんなものか知ってほしい」と話します。

稀に着工してから相談に来るお客さんもいるそうですが、家の配置や間取りが決まってから後付けすると、暖房として効果的な場所に設置できなかったり、煙突の位置に不安が出たり、薪置き場が確保できなかったりなど、満足のいくかたちにするのが難しくなります。

ショールームでは、薪を焚べる様子を直に見ることもできる
「この炎のゆらぎや薪のはぜる音、薪ストーブが発する熱の心地よさを、まずは体感してほしい」と唐牛さん

また薪ストーブは、手間の必要な道具。「薪は用意が必要ですし、毎日使うとなると、真冬は1日に1回から2回は外の薪置き場から薪を運んでこなくちゃいけない。火をつけるにもコツがあり、向上心が要ります。充実した薪ストーブ生活を送るためにはそういう『実務』についても、前もって薪ストーブ店のスタッフや先輩ユーザーにしっかり聞いて、理解していることが大事ですね」。

最近は、道内の工務店や建築会社からの依頼で、薪ストーブについて社員向けにレクチャーをする機会が増えているそう。「薪ストーブを愛する仲間」という気持ちでお客さんに接し、ユーザーの輪を広げ続けている唐牛さん。あなたもショールームを訪れて、その輪に加わってみては?運命の1台が見つかるかもしれません。

ハイライトは餅まきならぬ、お菓子&着火剤まき
コロナ禍で中止が続いているが、「薪ストーブ日和祭」は毎年恒例の一大イベント。ハイライトは、餅まきならぬ、お菓子&着火剤まき。唐牛さんは「『薪ストーブ仲間』であるお客様の喜ぶ顔が嬉しい」と話す

(文/Replan編集部)

北海道リンクアップ 札幌本店
北海道札幌市中央区南1条西23丁目1-1 朝日ビル1階
TEL/011-616-6122
営業時間/月~金 10:00~18:00 土日 10:00~17:00
定休日/水曜・祝日・年末年始・大型連休
交通アクセス/地下鉄東西線 円山公園駅より徒歩5分
https://h-linkup.co.jp/