玄関ドアを開けると目に飛び込んできたのは、タモの無垢床と開口越しの雪景色が広がるリビング・ダイニング。木の温もりと開放感あふれる室内には、元気な息子さんたちの声と足音が響いていました。
岩見沢の住宅街に完成したこの家の主は、イラストレーターのOさん。陶芸家の奥さんとともに、東京を拠点に創作活動していたOさんは「アトリエのある住まいを建てる」のが、長年の夢でした。岩見沢市で職を得たのを機に、一家で移住。借家住まいをしながら「緑を眺めて暮らせる土地を探していました」。
そんなOさんに地元の知人が紹介してくれたのが、周囲を雑木林が縁どり、遠くには公園の木立を望む200坪の“一等地”でした。「その知人が住んでいたのが、築30年の武部建設の家。木をたくさん使っているのに、特別なメンテナンスなしで快適に暮らせていると聞き、驚きました」。また、地元の会社だということにも安心感を覚えたといいます。ご夫妻は、武部建設の新築内覧会に参加し、木材の扱いと手仕事が得意な会社だと改めて実感。迷うことなく、新築の依頼をしました。
お二人が目指した新居は、暮らしとものづくりが共存し、家族の“声がつながる”空間。また、内装に用いる木の種類やボリューム感にもこだわりました。特に床は暮らしを重ねることで味わいが増していく無垢材を採用したいと、多目的ショールーム、結ホールを訪ね、いろんな材に触れ、一番しっくりくるものを選びました。武部建設は、照明や壁紙、コンセントカバーに至るまで素材やデザインを吟味したプランを作成。「僕らと同じ目線で一緒に楽しみながら家をつくってくれたのが、嬉しかったです」と、Oさんは当時を振り返って話します。
2018年11月、待望の新居が完成しました。床暖房を施した玄関土間の右手には、奥さんの陶芸アトリエ。土間から続く自宅1階は、回遊動線を採用したオープンなつくり。作品が映えるようシンプルに仕上げた空間に、生活感が過度ににじまぬよう、キッチンや水まわりはリビングから分離し、造作収納もたっぷり用意されました。家族のプライベート空間を集約した2階も建具を極力使わず、セミオープンなつくり。2つのフロアは吹き抜けでつながり、家族が建物のどこに居ても互いの気配を感じ、声を聞くことができます。「開放的なつくりですが、住宅性能でも定評のある武部建設らしく、冬も暖かです。お陰で、願った以上に居心地のよい家ができました」。満足そうに語るOさんは、リビング直結のウッドデッキが活躍する緑の季節を心待ちにしています。