2つの玄関、2つのリビング、キッチン・浴室・トイレも2つずつ。Iさん宅は完全分離型の二世帯住宅です。元々は単世帯で新築予定でしたが、土地探しに苦戦したことや将来のライフスタイルなどを考慮して方向転換。奥さんの実家を建て替え、両親との二世帯住宅にすることを決め、情報収集する中で出会ったのがT-planでした。施工事例のデザインやプランニングに惹かれたことに加え、家族とのさまざまなご縁が重なったこともあって、迷わず依頼を決めたといいます。
T-planでは打ち合わせを進めるにあたって、家族全員分の生活スタイルをリサーチします。各自の起床時間や食事の時間、出かけるタイミング、趣味嗜好などを細かく提示してもらい、そこから「この家族にふさわしい心地よさ」をデザインしていくスタイルです。
そんな丁寧なプロセスを経て完成したIさん宅は、親世帯と子世帯が左右シンメトリーになったコの字形の二世帯住宅。一見すると個性的なデザインながら、実はこのカタチこそが家族のライフスタイルにピタリと合致するものでした。「すべて要望どおりで、提案は想像以上。こんなプランが実現できるなんて、嬉しい驚きでした」とIさんは振り返ります。
中庭を挟んだ左半分は親世帯。高齢になっても暮らしやすいよう、ワンフロア完結の平屋としました。好きな音楽が心地よく響く勾配天井や、コレクションが並ぶ造作棚がお気に入りだといいます。右半分の子世帯は、親世帯と鏡写しの間取りに主寝室とバルコニーをプラスした2階建てで、吹き抜けや小上がりのリビングが空間の変化と広がりを演出しています。
この住まいは双方の世帯の独立性が非常に高いため、生活時間帯の違いによる物音なども気になりません。毎朝4時台に出勤するIさんは「早朝も気兼ねなく出かけられます」とメリットを実感。一方で、中庭を介したつながりもポイントです。コの字に囲まれた中庭は、BBQやガーデニングを一緒に楽しめる共有スペース。向かい合うリビング・ダイニングの窓からは、中庭越しにお互いの気配も感じられます。
「不都合は何もないですね。実家の隣に住んでいる感じ」と奥さん。ドアを開ければ簡単に行き来できる間取りなので、娘さんはいつでもおじいちゃん・おばあちゃんと過ごせて楽しそう。つかず離れず程良い距離感で、双方が快適に暮らせる二世帯住宅となりました。