住み継ぐことの価値に加え、住む人の想いを映し出した空間づくりを手がける仙台のN’s Create.。この夏、自社で運営しているライフスタイル提案型インテリアショップ「flaner and Premium(フラネ)」と共同してモデルルームをつくり上げました。
室内に配したのは、ナチュラルで柔らかな雰囲気を持つ、温かみのあるインテリア。インテリアと空間づくりから導き出したデザインが響き合う、N’sCreate.の新しい試みに満ちた住宅です。
以前は診療所だった一室を、住居としてコンバージョンしたこの物件。100㎡超えの広さを持つ稀有なポテンシャルゆえ、余裕のある収納やさまざまな使い方を考慮したユーティリティ、可変性を備えたフレキシブルルームなど、生活に厚みを持たせる「+α」のプランニングが可能になりました。
周囲をマンションが取り囲み、採光にやや難がある南側には寝室と水まわりを。道路に面した大きな窓から安定した光が入り込む北側には家族が集うLDK空間を配し、南北でシーンを分けた空間づくりも特徴です。既存の大きな窓を活かした、室内と外の境界が溶け合うインナーバルコニーも魅力。さらに室内を統一する白一色の中、玄関やキッチン脇に設えたモルタル造形の壁が微妙なニュアンスを表しているのもポイントです。
「部屋を見た瞬間、自分たちに合ったデザインが気に入りました」と、この住まいに惚れ込んだご家族がこの秋から新たな暮らしを紡いでいきます。奥さんにとっては新しいチャレンジに飛び込む場所に。「資格を活かして、自宅でベビーマッサージの教室を開きたいと思っているんです。これまでタイミングを逃してきたのですが、この家なら始められそうです」。
その想いが実を結んだのは、フレキシブルルームをはじめ住む人の暮らし方を底上げする空間があるからこそ。「今までの住まいは手狭だったので、子どもたちを広い部屋で自由に遊ばせられるのも楽しみ」と、ご主人もこれからの新しい生活を心待ちにしているようです。
施主としてゼロから手がけた家づくりではないにも関わらず、まるで初めからこの家族にフィットしていたようなつくり。それだけ、どんな暮らし方でも受け止める大きな可能性と柔軟性を兼ね備えた住まいであることが伝わります。設計だけでなく、インテリアからも考え尽くされたこの空間。暮らしのプロフェッショナルたちがつくったこの場所は、これからのリノベーションの先駆けになるだけでなく、少し先のスタンダードを形づくるモデルケースにもなりそうです。