(株)奥野工務店 / 札幌市・Tさん宅 夫婦40代、子ども2人


災害への備えは万全に!
求めたのは強さと健やかさ

転勤族で多忙なTさんは、これからの子育てを考えて札幌で家づくりを開始。「不安や後悔のないマイホームにしたいと思っていました」。そう語るTさんが最も重視したのは、家族が安心して暮らせる最高レベルの性能でした。

情報収集をする中で目をとめたのが、「パッシブ換気」を採用した家づくりを手がける奥野工務店でした。パッシブ換気とは、自然の力で室内にきれいな空気を24時間循環させるシステムで、同社は断熱等級6の性能を標準仕様としています。

外壁はダークグレーのSOLIDO(ソリド)とガルバリウム鋼板を組み合わせたデザイン。冬の除雪の手間を軽減できるよう、玄関ポーチに近接してカーポートを配置した。2階の壁面から突き出した2本のパイプは「パッシブ換気」の排気筒
外壁はダークグレーのSOLIDO(ソリド)とガルバリウム鋼板を組み合わせたデザイン。冬の除雪の手間を軽減できるよう、玄関ポーチに近接してカーポートを配置した。2階の壁面から突き出した2本のパイプは「パッシブ換気」の排気筒
家の裏手は極力窓を減らしたことで住宅性能を高めるとともに、防犯面でも安心感が持てる
家の裏手は極力窓を減らしたことで住宅性能を高めるとともに、防犯面でも安心感が持てる
玄関ホールには、季節のインテリアを飾って楽しめるニッチを造作。下部のルーバーの奥には、床下ラジエーターが収納されている
玄関ホールには、季節のインテリアを飾って楽しめるニッチを造作。下部のルーバーの奥には、床下ラジエーターが収納されている

Tさんは「この仕様なら万が一の災害時も安心ですし、断熱・気密性能が高いうえに換気に電気を使わないので、ランニングコストも抑えられます。また、空気のきれいさは家族の健康維持にも役立つと思いました」と、新築の依頼先として選んだ理由を話します。

熱源は、安全性に加え「災害時の復旧の早さも魅力だった」というスマート電化を採用。プランニングでは、家族の時間を充実させられるワンルームタイプのLDKなど、いくつか具体的な要望を伝えたものの、細かい間取りや造作については、奥野工務店にお任せしました。

玄関ホールを挟んで浴室・ランドリーとLDKをレイアウト。高い住宅性能とパッシブ換気で家中が同じ室温が保たれているため、普段はドアを開け放っているそう。玄関にはオープンなシューズクローゼットを造作した
玄関ホールを挟んで浴室・ランドリーとLDKをレイアウト。高い住宅性能とパッシブ換気で家中が同じ室温に保たれているため、普段はドアを開け放っているそう。玄関にはオープンなシューズクローゼットを造作した
ゆったりとスペースを採った独立型洗面室は、造作仕様。タイルや洗面ボウル、ニッチ等、一つひとつにご夫妻のこだわりが詰まっている。階段下スペースには上着や鞄を収めるオープンクローゼットを造作
ゆったりとした広さの独立型洗面室は、造作仕様。タイルや洗面ボウル、ニッチ等、一つひとつにご夫妻のこだわりが詰まっている。階段下スペースには上着やかばんを収めるオープンクローゼットを造作

そこで同社では、高身長のTさんに合わせた空間や棚の高さや、動線上にあって使いやすく、整理整頓しやすい階段下収納、造作の洗面台など、Tさんご家族の暮らしや好みに合わせたプランを提案。打ち合わせを重ねて、コストバランスを考慮しつつも素材やデザインにこだわった住まいの未来図が練り上げられました。

階段の最下段の踏板は、安全性を考えてゆったりとした正方形に整えた
階段の最下段の踏板は、安全性を考えてゆったりとした正方形に整えた
2階の階段ホールは、物干しも兼ねる。暖房の熱や空気の通り道にもなっているため、洗濯物がよく乾く
2階の階段ホールは、物干し場も兼ねる。暖房の熱や空気の通り道にもなっているため、洗濯物がよく乾く

室内を巡った空気は、2階廊下の天井に設けた排気口から排出される。開閉は湿度によってコントロールされる仕組み
室内を巡った空気は、2階廊下の天井に設けた排気口から排出される。開閉は湿度によってコントロールされる仕組み
寝室は入口のドアのほか、廊下からクローゼットの中を通り抜けることもできる2WAY動線。たっぷりの収納スペースで、物が片付けやすい
寝室は入り口のドアのほか、廊下からクローゼットの中を通り抜けることもできる2WAY動線。たっぷりの収納スペースで、物が片付けやすい

光熱費を抑えながら
自然な空気感を実現

2024年秋、施工中も現場で大工さんと納得のいくまで調整を繰り返して仕上げた新居での暮らしがスタートしました。

キッチンを中心にしたワンルーム仕様のLDKは、長身のTさんの要望で天井高を標準より30㎝高い2m70㎝とした。キッチンも、Tさんが作業しやすいサイズ感に
キッチンを中心にしたワンルーム仕様のLDKは、長身のTさんの要望で天井高を標準より30㎝高い2m70㎝とした。キッチンも、Tさんが作業しやすいサイズ感に
ホコリになりやすいテレビやチューナー類の配線を壁の中に隠せるつくりにし、テレビの下に横長のオープン収納を造作。テレビ横の収納は、子どもたちが持ち帰るプリント類がおける奥行きで造りつけた。LDKの出入り口には、KAMIYAのフルハイトドアを採用した
ホコリがつきやすいテレビやチューナー類の配線を壁の中に隠せるつくりにし、テレビの下に横長のオープン収納を造作。テレビ横の収納は、子どもたちが持ち帰るプリント類が置ける奥行きで造りつけた。LDKの出入り口には、KAMIYAのフルハイトドアを採用した

「ストーブのような熱を感じないのに、家のどこにいても心地よい温度と空気感。家の中の温度差がほとんどないため、体への負担が少ないように感じます。冬でも素足で過ごすほど快適なのに、厳冬期でもスマート電化で電気代が3万円台。性能の高さを実感しました」と、Tさんは驚いた様子。

今では、出かけた先の建物で空気の汚れや臭いを感じ、空気に質の良しあしがあることに気づくと同時に、自宅の空気のきれいさを再確認しているといいます。

天井高が2m70㎝と高く、夫婦2人で使うことを想定してゆったりと設えたキッチンが主役のLDKは、家族の暮らしの中心。Tさんの要望でリビングの一角に設けた小上がりの畳敷きヌックは、腰かけたり、寝転んだりと小さいながらも大活躍で、親子が自然に寄り添うコミュニケーションスペースになりました。

「子どもと過ごす場にしたい」というTさんの要望で、リビングの一角に畳敷きヌックを設けた。子どもの本やおもちゃがすっきりと収まるよう、壁には本棚、床下には引き出しを造作。椅子代わりにできるように、床からの高さにもこだわった
「子どもと過ごす場にしたい」というTさんの要望で、リビングの一角に畳敷きヌックを設けた。子どもの本やおもちゃがすっきりと収まるよう、壁には本棚、床下には引き出しを造作。椅子代わりにできるように、床からの高さにもこだわった
階段下のスペースを生かした大容量のパントリーは、奥さんのお気に入り。「ゴミ箱まですっきり収まり、食材のストックもまとめて収納しやすくて、使い勝手が抜群です」
階段下のスペースを生かした大容量のパントリーは、奥さんのお気に入り。「ゴミ箱まですっきり収まり、食材のストックもまとめて収納しやすくて、使い勝手が抜群です」
ご夫妻の要望で、キッチンの背面収納にミーレの大型食洗器を組み込んだ。洗い物の出し入れがスムーズにできるよう、天板はあえて高めに設計
ご夫妻の要望で、キッチンの背面収納にミーレの大型の食器洗い乾燥機を組み込んだ。洗い物の出し入れがスムーズにできるよう、天板はあえて高めに設計

「家族の様子を眺めながら料理ができるのが嬉しいです。念願だったミーレの食洗器を入れられて後片づけが楽になり、家族でのんびり過ごせる時間が増えました」と、新居での暮らしに奥さんも笑顔です。

家は、家族の暮らしを守るもの。安全で安心なことが第一だと考えていたので、土地探しでも、地盤が強くて水害のリスクがないエリアに絞って探しました。時間はかかりましたが、希望どおりの土地を見つけることができました。

施工が始まってからも、より使いやすくて安全な住まいにしたいと足しげく現場に通って、狩野社長にも相談しながら大工さんに修正をお願いしました。私が満足できるまで、手と気持ちを尽くしてくれた奥野工務店にはとても感謝しています。(Tさん談)