関西から東川町への移住で叶えた
薪ストーブのある暮らし

関西で暮らしていたWさんの夢は、旅行好きが高じて憧れを抱いたというコテージの運営と、薪ストーブのある暮らし。50代でアーリーリタイアを選び、東川町への移住を決意しました。

Wさん宅の外壁は屋久島の地杉。広いウッドデッキは食事を楽しんだり、景色を眺めて過ごす大切な居場所の一つ
Wさん宅の外壁は屋久島の地杉。広いウッドデッキは食事を楽しんだり、景色を眺めて過ごす大切な居場所の一つ

町内のアパートを仮住まいに、約2年の月日を費やして探したという土地は、大雪山を望む絶好のロケーション。敷地内に新居と宿泊棟の新築を計画し、偶然立ち寄ったカフェの空間に魅了されて紹介してもらい、薪ストーブの導入実績も多い旭川の建築会社、アーケンに設計・施工を依頼しました。

2023年11月に完成した新居は、片流れ屋根の2階建て。吹き抜けのある1階のリビングは、大開口からご夫妻自慢のパノラミックな景色を呼び込む至福の空間です。

玄関を出てすぐ横に薪棚がある
玄関を出てすぐ横に薪棚がある
シラカバの白い木肌が映える室内空間
床や造作のキッチンに用いたシラカバの白い木肌がやわらかく心地よい室内

アーケンは、北海道のシラカバを有効活用する「白樺プロジェクト」の賛同企業。床はすべてシラカバ無垢フローリングで、造作キッチンもシラカバの間伐材を活用した合板を採用しています。シラカバならではの白い木肌の風合いが、窓の向こうの雄大な景色と美しく調和します。

自宅用に選んだ薪ストーブは
「アイアンドッグ N⁰07」

雄大な田園風景を存分に取り込むリビングで、ご夫妻の暮らしをさらに豊かにしているのが、念願の薪ストーブの炎です。

「私たち夫婦は大学時代にキャンプサークルに所属していて、昔からたき火が大好きでした」と話すWさん。関西で自宅を新築した際も薪ストーブを検討しましたが、近隣への配慮から断念してしまったといいます。

東川町は薪ストーブユーザーが多く、住宅も密集していないことから、薪ストーブの設置はもちろん可能。「薪ストーブは私たちにとっての長年の憧れ。せっかく北海道で暮らすのだからと、新居と宿泊客用コテージにそれぞれ薪ストーブを設置することにしました」とWさんは話します。

美しい炎が楽しめる「アイアンドッグN°07」
美しい炎が楽しめる「アイアンドッグN°07」

アーケンの紹介で、出会ったのが旭川の薪ストーブ専門店コロポックルです。「炎が楽しめることは大前提で、コテージは初めてのお客様でも扱いやすい機種、自宅はほとんどの時間を過ごす場所なので、暖かさが長く持続しやすい機種を希望しました」とWさん。

検討の末、コテージには鋼板製の縦型薪ストーブ「バイキング・マイロ4」、自宅には鋳物製の「アイアンドッグ N⁰07」を入れることにしました。

▼コテージの薪ストーブ「バイキング・マイロ4」についてはこちら
東川町の一棟貸し宿で、バイキング「マイロ4」の美しい炎と景色に憩う

アーケンと業務提携をしている薪ストーブ専門店のコロポックル橋口さんとWさん。火の付け方や日頃のメンテナンス方法などを丁寧にレクチャーしてくれる
アーケンと業務提携をしている薪ストーブ専門店コロポックルの橋口さんとWさんご夫妻。火の付け方や日頃のメンテナンス方法などを丁寧にレクチャーしてくれる

「コテージは延床面積が15坪というコンパクトさと、鋼板製ならではの火の立ち上がりの早さからマイロ4が適切。それに対して自宅は吹き抜けがある広く開放的な空間なので、充分なスペックを備え、暖かさがじっくりと長続きする鋳物製のN⁰07がぴったりでした」と、コロポックルの橋口さんはその理由を語ります。

「N⁰07」は、アイアンドッグが日本向けに使いやすさを追求した機種。すっきりとしたデザインと炎が楽しみやすい大きなガラス面が特徴で、サイドに付いているレバー1本で空気調整ができるのも非常に便利です。

Wさん宅の暮らしをより豊かに彩る薪ストーブの炎。機種はIRON DOGが日本の住宅用に企画した万能ストーブであるNº07
Wさん宅の暮らしをより豊かに彩る薪ストーブの炎。機種はアイアンドッグが日本の住宅用に企画した万能ストーブである「Nº07」
サイドからも薪をくべることができるのもNº07の大きな魅力
サイドからも薪をくべることができるのも「Nº07」の大きな魅力

「冬は雪景色とストーブの炎を同時に楽しみたいと考えていたので、薪ストーブの設置場所は窓辺が希望でした」というWさん。「N⁰07」はヒートシールドが標準装備されているため、背面への放熱がほんとどなく炉壁も不要。窓辺での設置にも適しています。

ご夫妻は、コロポックルのショールームにも足を運びました。「センスの良いセレクトで、見ているだけで楽しい気持ちになる場所でした。スタッフの方も皆さん親切で、薪ストーブの扱い方など質問に対しても丁寧に答えてくれました」と、ショールームを満喫。薪ストーブ関連グッズもここで一そろえしました。

関西時代から薪ストーブに憧れを抱いていたというWさん。初めての冬を越し、火の扱いも手慣れたもの
関西時代から薪ストーブに憧れを抱いていたというWさん。初めての冬を越し、火の扱いも手慣れたもの
シンプルで洗練されたデザインの鋳鉄製の薪ラックもコロポックルで購入。底板があるので薪のくずが床に落ちにくいのも便利
シンプルで洗練されたデザインの鋳鉄製の薪ラックはコロポックルで購入。底板があるので薪のくずが床に落ちにくいのも便利
シャベルやほうき、火かきのツールセット、灰入れバケツもコロポックルでそろえた
シャベルやほうき、火かきのツールセット、灰入れバケツもコロポックルでそろえた

冬の夕暮れ時に現れる
美しい「青の時間」

移住先で初めて迎えた薪ストーブの季節。「火を入れるのは朝と夕方の1日2回程度。炉が広いので薪も扱いやすく、ストーブ本体からの放射熱で暖かさが長続きします」とご夫妻は「N⁰07」の使いやすさと性能の高さを実感しているそう。

コテージ用の薪はコロポックルの薪販売サービスを利用して質の良いものを購入し、自宅用は購入した薪と自作した薪を組み合わせて使用しています。

大雪山と田園風景を捉えるリビングの大開口。開放的な吹き抜けに薪ストーブの煙突が真っすぐと延びている。「真冬になると陽が落ちる間際に雪と空が青白くなるんです。私たちは青の時間と呼んでその美しい瞬間を楽しんでいます」と奥さん
大雪山と田園風景を捉えるリビングの大開口。開放的な吹き抜けに薪ストーブの煙突が真っすぐ延びている
「薪は何より乾燥が一番大切」とコロポックルの橋口さん
「薪は何より乾燥が一番大切」と橋口さん。コロポックルでは主に地元の森から切り出した広葉樹を十分に乾燥させて販売している

ご夫妻の一番のお気に入りは、冬の夕暮れ時のいわゆるマジックアワーの風景です。「真っ暗になる寸前のわずかな時間なのですが、青白い空の色を反射した雪景色が本当に綺麗で。『青の時間』と呼んで楽しんでいます」と、奥さんは笑顔を見せます。

シチューや煮物など、薪ストーブは料理好きの奥さんにとって大切な調理器具でもある
シチューや煮物など、薪ストーブは料理好きの奥さんにとって大切な調理器具でもある
ご夫妻は、真冬の陽が落ちる間際に雪と空が青白く変化するひとときを「青の時間」と呼んでその美しい瞬間を楽しんでいる
ご夫妻が「青の時間」と名付けた、真冬の陽が落ちる間際に雪と空が青白く変化するひとときが、一番のお気に入り

パチパチと薪のはぜる音、揺らめく薪火、身体の芯まで暖まる心地よさ…。凛と静まる雪景色の中で、ご夫妻の憩いの時間がゆっくりと流れています。「薪ストーブで焼いたピザがとても美味しかったので、もっといろんな料理に挑戦してみたいです」と、ご夫妻は移住先で見つけた理想の土地で叶えた炎のある暮らしを満喫しています。