緑のある暮らしを理想に、家づくりを検討し始めたNさんご一家。一時は山の中での暮らしを検討したものの、あいにく理想の土地に巡り合うことができず、旭川市内の住宅街に土地を購入しました。設計は洗練されたデザインに心惹かれたという札幌の建築家・山口龍男さんに依頼、その施工をHK house(橋本川島コーポレーション 住宅事業部)が担いました。

重厚感のあるダークトーンのNさん宅。庭への視線をカットするコンクリート塀が重厚さと広がりをもたらす
重厚感のあるダークトーンのNさん宅。庭への視線をカットするコンクリート塀が重厚さと広がりをもたらす
Nさん宅は湿気対策で基準よりも基礎を高くしている。アプローチにステップを採用し、ガラスで仕切った風除室の先に玄関ホールが続く
Nさん宅は湿気対策で基準よりも基礎を高くしている。アプローチにステップを採用し、ガラスで仕切った風除室の先に玄関ホールが続く
道路と並行するコンクリート塀とともに奥へとたどるアプローチ
道路と並行するコンクリート塀とともに奥へとたどるアプローチ

同社は70年以上にわたり、道北圏で街づくりから家づくりまで幅広く手がけてきた信頼の厚い建設会社。2005年からは住宅事業部を設立し、道央エリアにもフィールドを広げています。豊富な経験と実績で培った応用力と技術力で、自社設計のみならず、これまでにさまざまな建築家の依頼にも応えてきたHK house。山口さんとは初めてのタッグでしたが、細かなディテールに応えながら、Nさんご家族の新居を理想の形へと導きました。

玄関に足を踏み入れると、すぐ正面にNさん憧れの坪庭がある
玄関に足を踏み入れると、すぐ正面にNさん憧れの坪庭がある
グレーに塗装した胴縁を目透かし張りとした傾斜天井。美しく均等な張り合わせが施工力を感じる仕上がりに。グレーを基調に色数を絞ったリビングに、大開口からの光が降り注ぐ
グレーに塗装した胴縁を目透かし張りとした傾斜天井。美しく均等な張り合わせが施工力を感じる仕上がりに。グレーを基調に色数を絞ったリビングに、大開口からの光が降り注ぐ
リビングと程よい距離を確保したダイニング・キッチン。シンクとコンロを分けたセパレート型で、コンロ側の壁面はタイル張りとした
リビングと程よい距離を確保したダイニング・キッチン。シンクとコンロを分けたセパレート型で、コンロ側の壁面はタイル張りとした

新居は170坪の敷地を存分に生かして庭にボリュームを割き「緑のある暮らし」を実現した住まい。庭の延長として建物の内へ枝垂れ紅葉のある坪庭を設け、玄関とリビングの双方から愛でることができます。1階はLDKと水まわり、2階は個室をI字に配して構成。「ダイニング・キッチンは独立させて長居ができる場所にしたい」というNさんの希望を叶えて、リビングとダイニング・キッチンは庭を囲むように程よく距離を保ちながらL字に配置されています。

庭を眺めながらお酒を飲んだり、食事を楽しんだりと、プライベートな時間を存分に楽しむことができる
庭を眺めながらお酒を飲んだり、食事を楽しんだりと、プライベートな時間を存分に楽しむことができる
将来、仏壇を置くことを想定した和室は、床レベルの変化でLDKとゆるやかにゾーニングした
将来、仏壇を置くことを想定した和室は、床レベルの変化でLDKとゆるやかにゾーニングした

リビングにはNさんが憧れていた薪ストーブを設置。冬に炎をゆっくり楽しもうと購入したカンディハウスの新作の一人掛けチェアが間もなく届く予定
リビングにはNさんが憧れていた薪ストーブを設置。冬に炎をゆっくり楽しもうと購入したカンディハウスの新作の一人掛けチェアが間もなく届く予定
リビングとダイニング・キッチンがL字型に囲む薪棚のある庭。近日中にデッキを造作する予定で、デッキを介して薪を運ぶことができる
リビングとダイニング・キッチンがL字型に囲む薪棚のある庭。近日中にデッキを造作する予定で、デッキを介して薪を運ぶことができる

ウォークインクローゼットと最短距離で結ばれる水まわりは建物の北側に集約。将来的に、物干し用のウッドデッキを造作し、洗う、乾かす、収納するといった洗濯に関わる一連の動作を完結できるようになるなど、機能性も考慮されています。

大きな窓から庭を望むリビングは「炎を見て暮らしたい」というNさんの憧れを叶えた薪ストーブが鎮座。傾斜天井に染色した胴縁を、壁には木毛セメント板を採用し、床は薪の持ち運びで汚れてもいいようにタイルで仕上げるなど、グレーを基調にした空間となりました。

造作収納を備えた洗面スペースは、引き戸で締め切ることもできる。裏手にユーティリティ、右手にファミリークローゼットが配されていて、将来的には物干しデッキも設置予定
造作収納を備えた洗面スペースは、引き戸で締め切ることもできる。裏手にユーティリティ、右手にファミリークローゼットが配されていて、将来的には物干しデッキも設置予定
天井と同じく胴縁を塗装した壁が連続する階段を下りると、視線の先に坪庭を捉える
天井と同じく胴縁を塗装した壁が連続する階段を下りると、視線の先に坪庭を捉える

自身も建設業に携わるNさんは「工事中の現場に何度も足を運びましたが、HK houseの仕事は丁寧で確実。さまざまな素材を使っていても納まりが美しく、大満足です」と喜びもひとしお。どこにいても庭を感じる新居で、新たな暮らしを楽しむNさんは、「炎を眺めるために、一人掛けのリビングチェアを買いました」と、冬の過ごし方にも期待が膨らんでいます。