結婚したころからぼんやりと考えていたマイホームを実現しようと本格的に動き始めたのは4年前。地元のハウスメーカー7社を見学しましたが、住宅性能と間取り、コストとのバランスがしっくりくるビルダーが見つからずにいたというTさんご夫妻。
探している間にお子さんに恵まれ計画を一時中断。家づくりを再開し、Replan Webマガジンを読んでいると1つの物件に目がとまりました。掲載されていたのはTさんご実家の近くにある物件。「おしゃれだね。どこで建てたんだろう?」と話題にしていたのもあり、Webの記事を通してワックアーキテクツを知りました。
「デザイン性だけでなく、住宅性能も高いと分かって事務所にうかがうことにしました」とTさん。ワックアーキテクツの和田隆代表について奥さんは「私たちがイメージできないことがあると、分かるまで丁寧に説明してくれました。その人柄に信頼を感じ、この人に建ててもらいたいと思うようになりました」と話します。契約を交わすまでの1年間で5軒の完成物件を見学し、夏と冬の住み心地も体験しました。
「車から室内まで雨や雪が降っていても濡れない動線」「回遊型動線」「家族が自由にくつろぐための大きなLDK」「LDKとつながったヌック」など、ご夫妻は新居に対する数々の希望を持っていました。「和田さんは私たちの『こうしたい』に高いレベルで応えてくださいました」とご夫妻。
ガレージから玄関ポーチまでのアプローチに屋根をかけ、その間には物置を設置。このガレージと物置は敷地内への視線を遮り、プライバシーを守る役割も担っています。玄関を抜けると、目の前に広がるのは住まいの中心である約28帖のLDK。南東一面に特注の大きな窓を設置し開口部にしています。陽射しがたっぷり降り注ぐLDKから子ども部屋、ご夫妻の寝室、洗面所、ランドリールーム、ファミリークローク、玄関へと続く、行き止まりがない回遊型の動線を実現しました。
高い断熱・気密性能にオリジナルの床下温水暖房や第1種熱交換換気システムが加わり、ZEH基準を軽々と超える住宅性能を実現。一年を通して快適に過ごせます。子育て世帯によるZEHレベルの高性能住宅の取得を支援する「こどもエコすまい支援事業」の交付も受けています。
工事が始まってからも、玄関だけだった格子天井をリビングまで広げてくれたり、洗面台の下にある棚を椅子が納まるように変更してくれたりと、後悔のない家づくりに寄り添ってくれたといいます。Tさんご夫妻の「こうしたい」に建築家が寄り添い、実現した、快適で人目を気にせず家族団らんが楽しめる住まいが出来上がりました。
Tさん宅の「燃費」キーワード
UA値:0.20W/㎡K、C値:0.10㎠/㎡
01.屋根断熱 02.オリジナルの床下温水暖房 天井断熱に比べ、複雑な施工工程が少ない屋根断熱は、気密性も確保しやすいため有効 床下を暖め、各所に設けたガラリから暖かい空気を全館に給気するオリジナルの温水暖房で、設備を最小限に 03.特注のトリプルガラス 04.第1種熱交換換気システム LDKのFIX窓は特注。開口部を大きく取ることで日射を取得し、暖房に頼らない時間をできるだけ長く確保している 排気の熱を90%も回収。その熱で冷たい外気を暖めてから室内に給気するので、換気をしても室温が下がりにくい