廊下をなくし空間を有効活用
木の風合いも心地よさを増幅
首都圏から地元・相馬市へのUターンを機に、Mさんのご実家が所有する土地に新居を構えることを決意したご夫妻。奥さんのご友人の紹介で、HAL建築設計に家づくりを依頼しました。「HALの金澤さんが設計した友人の家の、木をふんだんに使った雰囲気がとても素敵で。金澤さんは私たちの話を丁寧に聞いてくださり、望んでいた自由度の高い家づくりが実現できそうだと思ったんです」と、奥さんは振り返ります。
ご夫妻が希望したのは「大人も子どももワクワクするような家」。それに対し同社では、お子さんたちがのびのびと走り回れる広いリビング・ダイニング、キャンプ用品の積み降ろしに便利な通り土間、内と外の一体感を感じられるリビングの大開口と大きなウッドデッキなどを提案。それらを支える空間は、無駄のない『廊下レス』とし、床はオーク無垢、家具や建具の造作も木にこだわるなど、お二人好みの木質系の内装で統一感を演出しました。
大空間のLDKと広い庭が育む
笑顔いっぱいの家族時間
周囲の自然豊かな景観に溶け込む、芝生のある広い庭と大きなウッドデッキを備えたMさん宅。玄関から勝手口まで一直線につながる土間の中間部分にあるガラス扉を開けると、木の温もりに包まれた開放的なLDKが広がります。その西側に水まわりをまとめてレイアウト。効率的な洗濯動線や調理動線が家事の負担を軽減してくれます。2階には各個室と納戸のほか、Mさんのリモートワークやお子さんの勉強スペースとしても最適な造作カウンター付きのフリースペースも設けられました。
じっくりと時間をかけて打ち合わせを行う中で、いつしか三人家族から五人家族となったMさんご一家。「休日は家で過ごすことが増えました。窓が大きくて庭に出やすいので、夏は庭でテントを張ったり、バーベキューやプール遊びをしたりと、家族みんなで内と外を一体的に楽しんでいます」と笑顔を見せます。この日も家の中と庭を元気に走り回るお子さんたちの姿が印象的でした。
Mさん宅の「燃費」キーワード
UA値:0.47W/㎡K、C値:0.90㎠/㎡
01.住宅性能 02.住宅性能 気密シートを貼ったうえで高性能断熱材を施工。特に天井はグラスウール300㎜とし、高断熱・高気密な快適空間を実現 土間部分を除き、極力凹凸の少ない長方形の建物とすることで外皮面積を小さくし、外気温の影響を受けにくくした 03.パッシブデザイン 04.動線プラン 南面に軒を張り出させて日射をコントロール。夏には太陽の熱を遮り、冬は太陽の熱を室内に取り込んで暖める LDKは仕切りのないワンルーム空間とすることで効率よく暖冷房を行い、光熱費のランニングコストを削減 玄関ホールや廊下といった不要なスペース、細かく仕切られたスペースを省くことで、暖冷房の効率を向上させました。また、アウトドア志向のライフスタイルに合わせて、たっぷりの陽射しを取り込むサニタリールーム、玄関と勝手口の扉を開け放てば風が通る土間空間など、パッシブデザインを重視しています。間口いっぱいに広がるウッドデッキを媒介として、内と外をトータルで楽しんでいただける空間設計もポイントです。(設計者より)