自然豊かな広い土地に立つ
28坪のコンパクト住宅にふさわしい薪ストーブを

雄大な敷地の中でのびやかに暮らす愛馬たち。その姿を眺められる28坪のコンパクトな家で、Wさんご夫妻は豊かな自然に囲まれた日々を過ごしています。

お二人はもともと十勝地方で暮らしていましたが、縁あってサラブレッドを引き取ることに。「馬たちが暮らせる広い敷地」を探し求めたのが、家づくりのきっかけでした。

針葉樹の向こうに山が映える愛馬のいる景色
針葉樹の向こうに山が映える愛馬のいる景色

比布(ぴっぷ)町に理想的な土地を見つけたご夫妻が、新築で叶えたかったのが薪ストーブのある暮らしです。「バーモンドキャスティングスの薪ストーブを使って暮らしている人の記事を本で読んだのをきっかけに憧れを抱くようになりました。もともとキャンプで焚き火をするのが好きで、せっかく家を建てるのだから思い切って設置しようと思ったんです」とWさん。

加えて災害などでライフラインが止まってしまったとしても、暖が取れたり煮炊きしたりできる薪ストーブは、自分たちだけではなく、動物たちにとっても安心だと考えたそうです。

Wさん宅の玄関横にまっすぐ伸びる煙突は、ファザードのアクセントにもなっている
Wさん宅の玄関横に真っすぐ伸びる煙突は、ファサードのアクセントにもなっている

新築を依頼した工務店の紹介で話を聞きに行ったのが、旭川の薪ストーブ専門店「コロポックル」です。Wさんは「薪ストーブ関連のアクセサリーが充実していて、必要なものが一目で把握できました。ショールームを眺めているうちに、薪ストーブのある暮らしの心構えができました」と話します。

イメージしていたのは、薪ストーブへの憧れのきっかけになったバーモンドキャスティングス同様の鋳物製です。ショールームでは「アイアンドッグNº07」が目に留まったWさんでしたが、同店の橋口さんは「広さが28坪とコンパクトな家に『アイアンドッグNº07』はオーバースペックかも」とアドバイス。代わりに提案されたのは、シリーズ最少モデルの「アイアンドッグNº01」でした。

シリーズ最少モデルの「アイアンドッグNº01」
IRON DOGシリーズ最少モデルの「Nº01」。省スペース設計で、昨今の住宅事情にもうってつけ

「実機が旭川の道の駅に設置されていると教えていただき、さっそく橋口さんと一緒に見に行きました」とWさん。実際に目にした「アイアンドッグNº01」は、曲線を描いた四つ脚をもつ縦型の薪ストーブで、犬の姿を彷彿とする愛嬌のあるフォルムが魅力的でした。「わが家は愛犬も家族の一員。『アイアンドッグNº01』は親しみを感じるデザインで、一目で気に入りました」と話します。

鋳物の美しい質感を活かしたなだらかな曲線を描くサイドパネル。膨らみを持たせることで表面積を増やし、蓄熱性を高めている
鋳物の美しい質感を生かしたなだらかな曲線を描くサイドパネル。膨らみを持たせることで表面積を増やし、蓄熱性を高めている
フロントドアの内側にはアイアンドッグのロゴが刻印されている。空気量の調整は本体下のレバーでコントロールする
フロントドアの内側にはアイアンドッグのロゴが刻印されている。空気量の調整は本体下のレバーでコントロールする
シャベルやほうき、火掻き、灰掻きのツールセットと、灰を収納するコンテナはコロポックルで購入
シャベルやほうき、火掻き・灰掻きのツールセットと、灰を収納する蓋付きコンテナはコロポックルで購入

「この機種はその名のとおり、IRON DOGシリーズのベースにもなった一番最初に誕生したモデルで、コンパクトながらも必要十分なパワーを発揮します。このシリーズすべてに通じますが、火を付けたらあとは給気の調整をする程度と、操作性もいたってシンプル。主暖房がセントラルヒーティングで、薪ストーブを補助的に使用するWさん宅にはぴったりの機種です」と橋口さん。

設置場所は玄関からキッチンまで真っすぐに伸びる細長い土間ですが、最小モデルのアイアンドッグNº1なら、圧迫感もなくすっきりと納まります。

細長い土間ははそのままキッチンへと続いている。段差をベンチ代わりにして薪をくべている
細長い土間はそのままキッチンへと続いている。段差をベンチ代わりにして薪をくべている
ハイサイドライトを遮らないように煙突は壁出しに
ハイサイドライトを遮らないように煙突は壁出しに

愛犬・愛猫たちも一緒にくつろぐ
炎のある暮らし

新居が完成したのは、2023年12月。新生活のスタートと同時に、薪ストーブライフが始まりました。

フロントガラスの先に映える美しい炎。フロントドアやハンドルはフォルムに合わせた丸みのあるデザインになっている
フロントガラスの先に映える美しい炎。フロントドアやハンドルはフォルムに合わせた丸みのあるデザインになっている

薪は旭川市内の造園業者から3㎥ほど購入。薪棚は玄関先にあらかじめスペースを設け、ご夫妻が自ら製作しました。「この敷地の周辺は針葉樹に囲まれていて、土地を所有している方に自由に使っていいと言われているので、そのご厚意に甘えて来シーズンからは薪づくりにも挑戦しようと思っています」とWさん。少しずつ自作の薪を増やしていきたいと意欲的です。

雨風をしのげるように外壁の内側に組み込むようにして設置された薪棚の前で、薪ストーブの見立てから使用方法まで、Wさんは橋口さんから丁寧なアドバイスを受ける
雨風をしのげるように外壁の内側に組み込むようにして設置された薪棚の前で、薪ストーブの見立てから使用方法まで、Wさんは橋口さんから丁寧なアドバイスを受ける

新居で迎える初めての薪ストーブのある暮らし。完全リモートワークのWさんは、起床と同時に火を入れて、仕事の合間に様子を見ながら炎とともに過ごしています。「サイズ感もぴったりで、暖かさも想像以上。炎を眺めながらぼんやりしていると、わが家の犬や猫たちも集まってきてみんなでくつろいでいます」。

フラットな天板は調理にも最適。Wさん宅では年輪のようなグリドルがユニーク
フラットな天板は調理にも最適。年輪のようなグリドルがユニーク
一段下がった土間床に鎮座するアイアンドッグNº01。室内をくまなく暖めてくれる
一段下がった土間床に鎮座するアイアンドッグNº01。室内をくまなく暖めてくれる

珈琲好きのWさんは、薪ストーブの天板を使って珈琲豆を自家焙煎することも。「これまではガスコンロを使っていましたが、薪ストーブの天板で焙煎すると、放っておいても焦げ付くことがないんです」と、その新たな発見と便利さに喜んでいます。

窓の向こうに映る雪景色と、自由気ままに過ごすサラブレッド。そしてゆらめく薪ストーブの炎。くつろぐ愛犬や愛猫たちとともに過ごす初めての冬は、暖かさと豊かさに満ちていました。