植物園を望む築46年のビンテージマンション
リノベーション・リフォーム・新築を手がける「KUFURAS(クフラス)」のコンセプトは、「時間と空間に、アイデアを」。日々の暮らしに寄り添い、設計やデザインを生かした工夫で、いつまでも愛着を持ち続けることができる住まいづくりを目指しています。
小坂裕幸建築設計事務所とコラボレーションしたプロジェクトでは、これまでに「マンション01」から「マンション05」と、5つの事例を通して、美しくも暮らしやすさを内包した先進的なマンションリノベーションをプロデュース。「マンション06」では、本プロジェクト初となるリフォームも手がけ、クロスの張り替えや設備の入れ替えだけにとどまる表層的なリフォームとは一線を画す「クフラスリフォーム」を実現しました。
2024年4月に完成した「マンション07」は、ご夫妻二人が暮らす築46年のビンテージマンションのリノベーション。物件購入後にリノベーションを検討していたご夫妻がInstagramで同社の事例を目にし、「シンプルで洗練されたデザインの中に、光や影の美しさや深みを感じた」と心惹かれ、依頼したプロジェクトです。
このビンテージマンションの最大の魅力は、なんといっても眼下に広がる植物園とその先に山並みが映える、抜けのある豊かな眺望。都心であることを忘れて景色に憩う絶好のロケーションは、山登りを趣味とするご夫妻の理想にぴったりでした。
既存は二つの和室を有する3LDK。玄関周りに水まわりが集約しているため、居住スペースはほぼ正方形に近く、79平米と広さはあるものの奥行きを感じない窮屈さがありました。
「建築家のアイディアを楽しみたい」というご夫妻の意向で、プランニングはクフラスに一任。美しい眺望に対して、建築家ならではの柔軟な考えと空間の読み解きで応答していくことが「マンション07」のリノベーションの核となりました。
奥へと辿る視線と光、異素材の調和
「マンション07」のコンセプトは、2つの居場所をつくること。既存の仕切りを取り外し、室内の中心にクローゼットを設置することで、西側に向かって視線が伸びる2つの長い部屋をつくり出しました。
南側に位置するベッドルームには、壁を立ち上がらせることで、窓の景色を正面に捉えながら光を届ける廊下を創出。玄関からの動線をあえてクランクさせて、この廊下を介して奥へと辿る流れをつくり出しています。廊下をつくり、奥行きをもたらす新たな壁は、目隠しとしての機能のみならず、手前に出入り口を設けているため、家具で仕切ることで寝室の一部を個室として活用することも可能。一枚のシンプルな壁は空間に可変性をもたらす重要なファクターとなっています。
北側は独立キッチンとリビング・ダイニングで構成されたパブリックゾーン。キッチンは向きを変えて既存よりもスペースを拡大し、食品庫のある使い勝手の良い機能的な場所に更新。リビング・ダイニングは食事の支度をしているときも、食卓を囲むときも、リビングでくつろぐときも、窓の景色を楽しむ豊かなご夫妻の居場所の一つとなっています。
「マンション07」は、梁や柱の凹凸があるラーメン構造。躯体現しで建物の構造をそのまま活かしながら、梁に合わせて壁をふかしてラインを整えたり、フラットな白い壁の挿入で奥行きを生み出すなど、単に「仕切りを外して広げる」ではなく、綿密な計算に基づく足し算やディテールの徹底で、住戸のポテンシャルを最大限に引き出しています。
無骨な現しの壁、真新しい白い壁、やわらかく受け止めるナラの床といった異素材の調和。シンプルながらも洗練された室内に彩りを添える豊かな眺望。「壁を増やしているのに、体感的な広さがあるという、自分たちでは到底思い至ることのできなかったプランニングはさすがの一言。いつまでも飽きのこない理想の空間です」と、新生活に期待を膨らませるご夫妻。気分に合わせてリビング・ダイニングとベッドルームをスイッチさせたり、趣味を楽しむ個室をつくってみたり、「マンション07」には、変化を楽しむことのできる余白とおおらかさがありました。
KUFURAS(クフラス)
「マンション07」完成見学会実施中
開催日:2024年4月20日(土)・21日(日)
場所:札幌市中央区北4条西7丁目
TEL/070-2615-8498:担当 今(こん)
予約フォーム https://kufuras.co.jp/openhouse07