転勤族のSさんと東京在住だった奥さんは、50代でのアーリーリタイアを選択。旭川出身であるSさんの「故郷の近くで暮らしたい」と言う希望に奥さんが応え、夫婦で東川町に移住しました。「北海道で暮らす家は、北海道の会社で建てたい」と考えたSさんご夫妻が、リプランを読んで見つけたのが芦野組です。

Sさんご夫妻が心惹かれたという豊かな自然と調和する道南スギの外観。ウッドデッキを介して薪の持ち運びができるように動線を考えて薪棚を設置している
Sさんご夫妻が心惹かれたという豊かな自然と調和する道南スギの外観。ウッドデッキを介して薪の持ち運びができるように動線を考えて薪棚を設置している
外観とイメージを合わせたカーポートは、2台分の駐車スペースと物置の一体型
外観とイメージを合わせたカーポートは、2台分の駐車スペースと物置の一体型

高断熱・高気密の家づくりやウッドマイレージの少ない道産材の採用に積極的に取り組む同社は、Sさんご夫妻が思い描く「北海道の家」そのもの。豊かな自然の中になじむ外観と、厳しい冬を乗り越える高い住宅性能、内部の美しさなど、Sさんご夫妻の理想を越える住まいだったといいます。Sさんの中で大きな後押しとなったのが、芦野組による「完成後も、長い付き合いになりますよ」という言葉。引き渡し後もきめ細やかなサポートを行う同社の心強い姿勢に、ご夫妻の気持ちは固まりました。

歳を重ねても快適に暮らせるようにと、靴の脱ぎ履きをする際の手すりを造作した玄関。しっかりと容量を確保したシューズクロークも便利
歳を重ねても快適に暮らせるようにと、靴の脱ぎ履きをする際の手すりを造作した玄関。しっかりと容量を確保したシューズクロークも便利
玄関ホールからリビングを見る。左手に浴室や洗面台、右手に寝室が配されている。カラマツの無垢床は、節が表情に深みを与える
玄関ホールからリビングを見る。左手に浴室や洗面台、右手に寝室が配されている。カラマツの無垢床は、節が表情に深みを与える

Sさんご夫妻が新天地で挑戦したかったのは、薪ストーブのある暮らし。転勤の先々で自然災害に遭遇し、昨今はブラックアウトも経験したSさんは、ライフラインが止まっても暖かさを確保する薪ストーブに魅力を感じていたといいます。大雪山系の美しい稜線と炎のゆらめきを眺める豊かな日々を思い描きながら、Sさんご夫妻と芦野組は、丹念な打ち合わせを重ねながら家づくりを進めていきました。

美しい景色がパノラマに広がるLDK。薪ストーブの炉台を兼ねた土間とリビングがフラットにつながる
美しい景色がパノラマに広がるLDK。薪ストーブの炉台を兼ねた土間とリビングがフラットにつながる
LDKはどこから見ても外の景色を望むことができる。屋根なりの勾配を生かした板張りの天井が室内の表情をより豊かにしている
LDKはどこから見ても外の景色を望むことができる。屋根なりの勾配を生かした板張りの天井が室内の表情をより豊かにしている
キッチンの壁はレンガを採用。「油ハネなどの汚れも、レンガだと味わいの一つになるので手入れ不要で楽です」と奥さん。壁付けのキッチンはウッドワン製で、収納がオープンになっているタイプ。作業台や背面収納の造作と合わせて違和感なくなじませた
キッチンの壁はレンガを採用。「油ハネなどの汚れも、レンガだと味わいの一つになるので手入れ不要で楽です」と奥さん。壁付けのキッチンはウッドワン製で、収納がオープンになっているタイプ。作業台や背面収納の造作と合わせて違和感なくなじませた
構造用の柱は、LDKをゆるやかにゾーニングしてくれる
構造用の柱は、LDKをゆるやかにゾーニングしてくれる

完成した新居は、歳を重ねても快適に暮らせるように1階に寝室を含めた生活空間を集約。2階は客間を兼ねた趣味室と多目的なホールのみで構成された平屋的なプランです。住まいの中心は、雄大な山容をパノラマで室内に呼び込む開放的なLDK。現しの梁や柱、床材のカラマツ、造作家具のタモ、珪藻土の塗り壁など、自然素材が織りなす室内は住まいを取り巻く景色と調和する心地よい空間です。土間には、主暖房となるモルソーの薪ストーブが鎮座し、炎と暮らす豊かな時間を演出。暖かさとともに、ゆらめく炎が安らぎをもたらしています。

造作の洗面台と鏡の間に設けた窓からの自然光が手元を明るく照らす
造作の洗面台と鏡の間に設けた窓からの自然光が手元を明るく照らす
1階の寝室。周囲の視線を気にすることなく、明るさを取り込むハイサイドライトからの光が心地よい
1階の寝室。周囲の視線を気にすることなく、明るさを取り込むハイサイドライトからの光が心地よい
カウンターを設けた2階ホールは、書斎としても活用できる多目的空間。空を切り取る窓と階段吹き抜けが開放感をもたらす
カウンターを設けた2階ホールは、書斎としても活用できる多目的空間。空を切り取る窓と階段吹き抜けが開放感をもたらす

旭川市出身のSさんとは異なり、生まれも育ちも東京という奥さん。「断熱や気密のこと、薪ストーブのことを芦野組さんは丁寧に教えてくれました。冬の暮らしに対して少し不安を感じていた私ですが、家づくりを通して徐々にここでの暮らしをイメージすることができて、心構えになりました」と、笑顔で話します。初めて迎える冬に向けて、薪の支度も、暮らしを楽しむ準備も万端のSさんご夫妻でした。

ウッドデッキが続く南西の大開口の先には、山々が美しい稜線を描く絶景が広がる
ウッドデッキが続く南西の大開口の先には、山々が美しい稜線を描く絶景が広がる
はだしで過ごせるよう土間には床暖房を設置。窓からの日射と薪火の熱が土間に蓄積するので省エネ効果も抜群
はだしで過ごせるよう土間には床暖房を設置。窓からの日射と薪火の熱が土間に蓄積するので省エネ効果も抜群