Kさん宅は1階が親世帯、2階が子世帯で構成された玄関共有型の二世帯住宅。築40年以上経つ実家を取り壊し、2023年9月に完成しました。「実家は大工だった祖父が建てた思い入れのある家。当初はリノベーションを検討していましたが、痛みが進んでいて基礎も生かせず、新築が妥当という結論に至りました」と、Kさんは振り返ります。
建築関係に従事しているため、さまざまな建築会社や工務店との付き合いがあるというKさん。「同僚も新築を依頼していたこと、仕事上でも信頼の厚い企業であったこと」を決め手に新築を依頼したのが橋本川島コーポレーションです。
同社は、70年以上にわたり道北圏で街づくりから家づくりまで幅広く手がけてきた老舗企業。昨今は道央エリアにもフィールドを広げ、自社の技術者のみならず、確かな施工力を生かした建築家との家づくりも展開しています。また、予算や要望をベースに設計士が直接打ち合わせを行うため、的確なアドバイスや提案も迅速で、密な家づくりができるのも魅力。「設計士の齊藤さんが両家の要望を丁寧にくみ取り、プランに生かしてくれたので安心して委ねることができました」と、Kさんは話します。
一つの家の中で、二つの暮らしが並行する二世帯住宅。Kさんご一家が家づくりで大切にしたのは「生活上は分離しながらも、適度に顔を合わせる距離感」です。
1階はお母さんが強く希望した思い出深い旧居の面影や、染み付いた生活習慣の継承がプランの要。居室の配置や広さは旧居を踏襲し「新しいのになじみのある実家」を実現しました。また、Kさんご夫妻はトロンボーンとコントラバスを各々演奏する大の音楽好き。防音扉で仕切った音楽室が、1階の新たな要素の一つとして誕生しました。
2階は子どもが自由に走り回れる仕切りのない開放的なLDKが暮らしの中心。寝室や子ども部屋を想定した2つの個室に加え、生活リズムの違いがストレスにならないように、お母さんの寝室の上部に納戸を設置して、就寝時に上階の足音が気にならないように配慮がなされています。
1階の浴室や玄関、シューズクロークの先に続くパントリーは両家共有のスペース。おはよう、おかえり、入浴後のおやすみなさい。互いに声をかけ合う程よい距離感で二つの家族が結ばれる居心地の良い二世帯住宅が完成しました。「以前の家からガラリと様子が変わった2階と、間取りも広さも同じ1階。生まれ育った家の懐かしさ、新築の新鮮さを両立している家です」とKさん。旧居の面影の中で新たな家族の時間を刻んでいます。