カサシマ建設 / 札幌市・Mさん宅 夫婦30代、猫2匹

すべては愛猫のために。
希望エリアで見つけた中古住宅を断熱改修リノベ

職場に近い豊平区のアパートで暮らしていたMさんご夫妻は、今から4年前に子猫を飼い始めたのがきっかけでマイホームの取得を決意しました。「旧居は寒く、床も冷たく、手狭でした。もっと広くて快適な環境で過ごさせてあげたい。その一心で、新築用の土地を探し始めました」と、奥さんは振り返ります。

住み慣れた街で暮らすことを優先し、エリアを絞って土地探しを続けたものの、予算と希望に叶う宅地がなかなか見つかりません。そこでご夫妻は「中古物件のリノベーション」に方向転換。すると間もなく、希望どおりの立地にある築28年の戸建て住宅に巡り合いました。

リノベーション前の外観
【Before】リノベーション前の外観

外断熱を施し、外壁はグレーの窯業系サイディングに張り替え。地形を生かしたRC造の半地下のガレージは、1階の床下に断熱材を入れて寒さ対策をし、既存のまま活用している
外断熱を施し、外壁はグレーの窯業系サイディングに張り替え。地形を生かしたRC造の半地下のガレージは、1階の床下に断熱材を入れて寒さ対策をし、既存のまま活用している
傾斜地の形状に沿って延びる階段アプロ―チは、既存を再利用。玄関ドアは性能アップのため、新しい断熱ドアに交換した
傾斜地の形状に沿って延びる階段アプロ―チは、既存のものを再利用。玄関ドアは性能アップのため、新しい断熱ドアに交換した

ご夫妻がリノベーションの依頼をしたのは、札幌市で新築・リノベーションを手がけるカサシマ建設です。「インターネットでたまたまホームページを見て気になって、会社を訪問しました。初めからとても親身に相談にのってくれたのが好印象でしたし、中古物件を一緒に下見してくれて、アドバイスももらえたので、安心して購入できました」と、Mさんは話します。

プランの優先順位は「猫にも人にも快適な室内環境を実現する断熱改修」。国土交通省の断熱補助金申請を前提に、外断熱と付加断熱、床下にも断熱材を施工。窓は高性能樹脂サッシに交換し、省エネ基準を上回る高断熱仕様を目指しました。

高断熱化を重視したMさん宅のリノベーションでは外断熱を付加し、すべての窓をペアガラス入りの樹脂サッシに交換。壁厚が増したためにできた窓台は、愛猫たちのくつろぎの場に
高断熱化を重視したMさん宅のリノベーションでは外断熱を付加し、すべての窓をペアガラス入りの樹脂サッシに交換。壁厚が増したためにできた窓台は、愛猫たちのくつろぎの場に
断熱改修工事の効果で、灯油のFFストーブ1台で家全体が効率的に暖まる

ご夫妻が家づくりを考えるきっかけになったツクヨミちゃん
ご夫妻が家づくりを考えるきっかけとなったツクヨミちゃん
弟のスサノオくん
棚の上でくつろぐ弟のスサノオくん

間取りはご夫妻の暮らし方に合っていて大きく変える必要がありませんでしたが、古かった内装や建具、水まわりの設備機器は新しいものと交換。暖房・給湯の熱源には、既存のタンクを生かして灯油を採用しました。

「あらかじめ、補助金の活用を前提に改修計画を提案してもらえたので、その分のお金を内装や設備などに充てられ、予算内で現実的で満足度の高いリノベーションができました」と、Mさんは話します。

奥の正面に壁付けされていたキッチンは…
【Before】奥の正面に壁付けされていたキッチンは…

リノベーションに際し、古くなった設備機器はすべて新品に取り替えた。新しいシステムキッチンはLIXILの製品。その並びにはMさんの実家で使われていた食器棚がすっきりと収まっている
向かって右手の壁側へレイアウトし、古くなった設備機器はすべて新品に取り替えた。新しいシステムキッチンはLIXILの製品。その並びにはMさんの実家で使われていた食器棚がすっきりと収まっている
壁付けキッチン背面には、道産トドマツ材のカウンター収納と吊り棚を造作。「あるものを生かし、プラスアルファをオーダーメイドで造作できる。そこもカサシマさんのリノベの魅力ですね」と奥さん
壁付けキッチン背面には、道産トドマツ材のカウンター収納と吊り棚を造作。「あるものを生かし、プラスアルファをオーダーメイドで造作できる。そこもカサシマさんのリノベの魅力ですね」と奥さん

既存を生かした「こなれ感」が心地良い。
無垢材や古材の素材感を生かした住まいに

2023年10月、約3ヵ月の工事期間を経て新居が完成。既存の間取りをほぼそのまま生かした住まいは、1階に回遊動線で結ばれたLDKと水まわりと和室、2階に寝室とオープンな書斎があります。

Mさん宅のリノベーション後の間取り
Mさん宅のリノベーション後の間取り
リビングの隣の和室はそのまま残し、古くなっていた畳や襖を取り替え、壁・天井のクロスを張り替えた。柱や長押は既存のままだが、新旧が心地よく共存してこの家らしい心地よさを醸している
リビングの隣の和室はそのまま残し、古くなっていた畳や襖を取り替え、壁・天井のクロスを張り替えた。柱や長押は既存のままだが、新旧が心地よく共存してこの家らしい心地よさを醸している
階段の欄干は、猫を飼っている担当者のアイデアで、少し幅広サイズに造作
猫を飼っている担当者のアイデアで、階段の欄干を少し幅広サイズに造作。愛猫たちお気に入りの居場所の一つになっているそう
2階にあった2部屋のうち、1部屋は階段室との間の壁を取り払い、オープンな書斎スペースに変更。トドマツ材のベンチとデスクは、カサシマ建設で造作した
3.高断熱化を重視したMさん宅のリノベーションでは外断熱を付加し、すべての窓をペアガラス入りの樹脂サッシに交換。壁厚が増したためにできた窓台は、愛猫たちのくつろぎの場に
2階にあった2部屋のうち、1部屋は階段室との間の壁を取り払い、オープンな書斎スペースに変更。トドマツ材のベンチとデスクは、カサシマ建設で造作した

カサシマ建設ならではの個性が顕著に表れているのが、内装や造作の木の生かし方。床には同社が自社工場で加工している、浮造り仕上げのカラマツ材の無垢フローリングを敷き込みました。

「カラマツ材は適度に柔らかくて足元から冷える感じもなく、素足が気持ちいいです。猫たちはよく床にごろんと横たわるようになりましたね」と、奥さんは床材の魅力と引っ越し後の変化をにこやかに語ります。

自社加工の道産カラマツ材の無垢床は、浮造り仕上げで足触りが優しく温かい。傷が目立ちにくく、愛猫たちにとっても歩きやすいそう
自社加工の道産カラマツ材の無垢床は、浮造り仕上げで足触りが優しく暖かい。傷が目立ちにくく、愛猫たちも足裏が滑りにくくて歩きやすい

リビングの一角を彩る古材で仕上げたアクセントウォールも、ビンテージテイストが好きなご夫妻のお気に入り。この古材は、同社がストックしていたもので、岩手県にあった築150年超の南部曲がり家の解体材。キッチンの背面収納棚や建具は道産トドマツ材による造作で、新旧の木と手仕事の温もりあふれる空間に仕上げられています。

リビングのアクセントウォールは、岩手県に立っていた築150年以上の南部曲がり家の解体材を生かした古材。同社がストックしていたもので、ビンテージテイストが好みのご夫妻のお気に入り
リビングのアクセントウォールは、岩手県に立っていた築150年以上の南部曲がり家の解体材を生かした古材。同社がストックしていたもので、ビンテージテイストが好みのご夫妻のお気に入り
玄関に入ると、トドマツらしい優しく明るい木肌を生かした造作のシューズボックスと引き違い戸が出迎えてくれる
玄関に入ると、トドマツらしい優しく明るい木肌を生かした造作のシューズボックスと引き違い戸が出迎えてくれる
建具も自社の職人の手による造作でコーディネート。手前の造作ドアは、半地下のガレージにつながり、奥のドアは玄関につながっている
建具も自社の職人の手による造作でコーディネート。手前の造作ドアは、半地下のガレージにつながり、奥のドアは玄関につながっている

「カサシマ建設さんは私たちのライフスタイルと予算を考慮し、本当に必要なものとなくてもいいものを的確に判断し、優先順位をつけて提案をしてくれました。結果として無理のない予算組みができ、自分たちらしい納得感のある家づくりができました」と、Mさんは話します。

ご夫妻はこれから、愛猫たちのためにキャットウォークや物見台などをDIYしていく予定だそう。「猫たちが床や建具に傷をつけることもあるでしょう。でも、この家ならそれも味わいと感じられるし、何より必要以上に気を遣わずに大らかな気持ちで暮らせるのが嬉しくてたまりません」とご夫妻。中古住宅リノベーションで、住む場所も予算も快適性も、すべての願いを叶えることができました。

既存の間仕切り建具を取り払い、キッチンとリビングがひとつながりののびやかな空間を実現。「断熱性が高いので寒くないですし、建具を省くことでコストダウンにもなりました」とMさん
既存の間仕切り建具を取り払い、キッチンとリビングがひとつながりののびやかな空間を実現。「断熱性が高いので寒くないですし、建具を省くことでコストダウンにもなりました」とMさん

Data
札幌市・Mさん宅
家族構成/夫婦30代、猫2匹

■建築データ
□リノベーション面積 108.48㎡(約33坪)
□主な外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/窯業系サイディング
建具/玄関ドア:断熱ドア、窓:高断熱樹脂サッシ(ペアガラス)
□主な内部仕上げ
床/カラマツ無垢フローリング浮造り仕上げ
壁・天井/ビニールクロス
□断熱性能
UA値 0.38W/㎡K
■工事期間
約3ヵ月