15年間暮らしていた2LDKのアパートに不満はなかったというHさんご夫妻。一軒家を考えたのは、趣味で畑を始めたころでした。土の付いた靴や収穫物を持ってアパートに戻ると、自分たちの部屋だけでなく、共用部分も汚してしまうことに申し訳ない気持ちがあり、自分たちだけで暮らせる住まいを探し始めました。
依頼先探しは大手ハウスメーカー4社、地元工務店1社の住宅を見学。ご夫妻にとってはオーバースペックだったり、センスが合わなかったりと、依頼先は決まりませんでしたが「地元工務店は生活に合った家を建ててくれることが分かった」といいます。
そんなご夫妻と清水畑建設と出会いは偶然でした。奥さんが友人と行ったサンドイッチ店の内装を、同社代表の清水畑 貴彦さんが手がけていたのです。店内の雰囲気が気に入り、ご夫妻で事務所を訪ね併設している自宅も見学。清水畑さんが設計する家では「暮らしが想像できた」と話します。
購入したのは、東西に長く、南北には隣家が迫っている土地。最初の打ち合わせでは、西側に配置したメインの開口部や、畑仕事から家に入るまでの動線など、土地や自分たちの暮らしに合わせた図面を見せてもらい信頼が増したといいます。
完成した住まいは、玄関からリビングへ向かって低くなる高低差40センチメートルの天井高が印象的な、包み込まれるような空間デザイン。ペンダントライトを点在させた照明計画は奥行きを演出し、空間を広く見せるとともに、温かい陰影をつくり出します。
「『こうしてほしい』を形にしてくれました。家に帰れば大丈夫と思える、安心できる住まいです」。約5ヵ月暮らし、今年の猛暑も快適に過ごせた住まいに満足しているご夫妻。施主の要望に真摯に向き合い、くみ取っていく、清水畑建設の高い設計力で完成した平屋の住まいです。
担当者より
清水畑建設 清水畑 貴彦さん 東西に細長く、南北にはすでに住宅が立っている土地でしたので、眺望の確保が生活の豊かさを決める鍵になると思いました。
実際に土地を訪れると、畑や野原の先に岩手山と南昌山が見える西側がとてもきれいでしたから、生活の軸となるLDKをそちらにしようと考えました。今までの生活に大きな不満がなく、よかったところ、再現したいところを書き出してくれていたので、家の要望がはっきりしていて、とても設計しやすかったです。
玄関の洗い出しや低い天井高など、私の自宅を見て気に入った部分も多く採用していただきました。実際、外水道や納戸の使い勝手がよく畑に行く回数が増えたと聞き、嬉しく思っています。