森内建設 / 青森県青森市・住宅展示場
立地環境の魅力を活かし
外部とつながる住宅と窓の展示場
この家は、印鑑専門店の店舗兼住宅として使われていた、築47年の地下室付き鉄骨造3階建て。敷地面積が約12.5坪と狭小で、1フロアの床面積が約8坪という条件でしたが、目の前に川を望むその立地環境にポテンシャルを感じた森内建設が、川と空につながる開放的な住まいへのリノベーションに取り組み、ミニマルな暮らしを提案する住宅展示場として再生しました。
リノベーションでまず重視したのは、断熱性能の向上です。外に接する壁の内側には、新たに発泡ウレタンを充填。外壁はもとのALCパネルを活かすとともに、サイディングによるダブルスキン構造としました。
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立地環境を最大限に活かすために不可欠なのが、外部を取り込む大開口です。窓は自社工場でオリジナルの木製窓を製造している十和田市の企業「(株)日本の窓」の木製窓を採用。熱伝導率が低い木とダブルLow-Eのトリプルガラスの組み合わせで、高い断熱性能を実現しています。この木製窓により、これだけ開放感がありながら効率良く室温調整ができ、冬もパネルヒーターと床暖房で十分に暖かさが保てるそう。
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リノベーションで生まれ変わったこの3階建ては、森内建設が提案する「ミニマルな暮らし」の展示場であり、木製窓のデザイン性と高い性能を体感できる「窓」の展示場にもなっています。
ミニマルながら
豊かな暮らしを実現する家
プランニングでは、コンパクトな空間に必要な機能を詰め込む効率性だけでなく、どこにいても視線がのびやかに外部までつながり、広がりを体感できる空間設計を重視。大胆にも1階は面積の半分以上を玄関ポーチとし、川側の外壁を大きく切り取って前面道路から川へ通り抜けられる動線にすることで、川との親和性を高めた開放的なユーティリティ空間を創出しました。
リビング・ダイニングを配した2階川側は、大きな3連の掃き出し窓。ほぼ「壁全面が窓」という印象で、ゆったりと流れる川面や対岸の並木、遠くの山々や遮るもののない大きな空が室内に飛び込んできます。
白壁のやわらかなアクセントになっている木製窓は、内開きも内倒しもできる「ドレーキップ窓」で、通風のために上部だけ開けることもできます。内開きにできて外側の清掃がしやすいというメリットもあります。
3階には、眺望が気持ちいい寝室と水まわりをレイアウトしました。寝室はスクエア型の4連で、2階と同じドレーキップ窓。個別に開閉できるので、天気や室温、気分に応じて景色や自然の風を楽しむことができます。
天候や季節、時間ごとに移ろう空模様を眺めながら風の流れを感じ、飛び交うカモメの姿に心和む日常のひととき。「ミニマル」と「豊かさ」を無理なく融合した暮らしの形が、ここにあります。
\ Renovation Point.1/
前面道路から川側に通り抜けできる玄関ポーチ玄関ポーチは多目的に使える半屋外空間。川畔の環境を存分に活かしたこの住まい全体の魅力を伝え、室内への期待感を高める
\Renovation Point.2/
2階、3階の木製ドレーキップ窓の連なりドレーキップ窓は多彩な組み合わせの開閉が可能。内開きなのでメンテナンスがしやすい。木製窓は躯体内部に設置されているので荷重も問題なく設置できる
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Data
青森県青森市・住宅展示場■建築データ
□リノベーション面積 81.00㎡(約24.5坪)
□主な外部仕上げ
屋根/長尺ガルバリウム鋼板立平葺
外壁/窯業系サイディング
建具/玄関ドア:木製断熱ドア 窓:木製サッシ(トリプルガラス)
□主な内部仕上げ
床/フローリング
壁・天井/EP塗装
□性能数値 UA値:0.40W/㎡K
■工事期間 約6ヵ月
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