古くからある住宅街の一角。ここにはかつて、築60年ほどのHさんの実家が立っていました。当初はリノベーションを検討したものの、同じ費用がかかるなら先々まで安心して暮らせる家を、と建て替えに方針転換をしました。
もともと住宅やインテリアに興味があった奥さんは、情報収集の中で田中工務店を知り、同社が主催するオンライン勉強会に参加。
手がけた家の雰囲気や家づくりへの考え方に惹かれるとともに、代表の田中健司さんをはじめスタッフが相談に対してとても親身だったことから「きっとこの方々なら丁寧に建ててくれるだろう」と依頼を決めたといいます。
敷地面積は約21坪、3方向に建物が近接する立地のため、設計では採光をどう確保するかが大きなテーマに。最終的に1階にLDKを配し、2つのトップライトから採り込んだ光を、吹き抜けを介して階下へ伝えるプランとなりました。Hさんは「とても暗かった前の家に比べ、今はずっと明るく気持ちがいい」と、その違いを実感しています。
この吹き抜けは、「どこにいても家族の気配が感じられる家にしたい」という希望の実現にも不可欠でした。奥さんは「気配はもちろん声もよく届くので、しょっちゅう上と下とでしゃべっています。便利ですよ」と笑います。
引っ越しから約1年半。ご夫妻は「結露しない」、「エアコンの稼働期間が短くなった」など、住宅性能の高さや空気の質の良さを実感する場面も多いといいます。
家で過ごす時間の楽しみが増えたという奥さんは、「この快適さを保ちたくて、こまめに掃除をするようになりました。家を慈しむ気持ちが芽生えましたね」と、ご自身の変化を語ります。
木や塗り壁の優しい素材感とやわらかな光に、都心であることを忘れるようなこの住まいには、今日もご家族の朗らかな笑い声が満ちています。
担当者より
田中工務店 田中 健司さん 私は「ものづくりの技術」を工務店の本質的な価値と考え、家づくりでは「工務店らしい素材使い」を大切にしています。特に木材は良品を見つけるたびにストックしておき、お施主様のご予算などの条件や暮らしぶり、好みにふさわしいとっておきの材をご提案しています。
Hさん宅ではお子さんたちの「木の節が目玉に見えて怖い」という声を受け、フローリング材は節がなく足触りが優しいラオスマツ、カウンター材には柾目が美しいタモをおすすめしました。
無垢の木は自然素材という共通項があるので、どんな樹種を組み合わせても、上手に使えば空間に調和します。Hさんの家はすっきりとまとまって見えますが、実は適材適所を考慮しながら十数種類もの木を使い分けています。
できる限り良質な材料を使い、丁寧につくる。都心の準防火地域にありながら、木や光といった自然を日常に感じられる都市型住宅になったように思います。
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家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。
大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。
そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。
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