漆喰の白壁と洋瓦が青空に映える美しい佇まいを見せるFさんご家族の住まい。設計・施工は、スイス漆喰やウール断熱材、自然塗料など素材にこだわる健康的な住まい「無添加あいの家」を提案するあい建築事務所。以前から関心を持っていたFさんは、偶然知り合いが「無添加あいの家」を建て、改めてその良さを確信して建築を決めたといいます。
玄関を入ると、広くゆったりとしたホールの正面がリビングに続くドア、左側はシューズクロークからキッチンへ。そして右側にはFさんのお父さんの居室の入り口があるのですが、これが茶室のにじり口のような小さなアール形で、遊び心が感じられます。シューズクロークにもキーフックや外出時に必要なものを置くスペースを設けるなど、細かな工夫が施されています。
吹き抜けのリビングは、パインの無垢材のフローリングと漆喰壁の組み合わせが落ち着きを感じさせます。アールの間仕切りやアイアンの手すり、そしてご家族で選んだというステンドグラスや照明器具など、こだわりがいっぱい詰まっています。
薪ストーブはFさんの担当。冬にはゆっくりと家を暖め、また、焼き芋を焼いたり、これまでにはなかった楽しみも生まれたそうです。さらに、Fさんが集めたミニカーを飾る棚を設けたり、随所に個性が感じられます。
キッチンは、奥さんだけでなく娘さんやFさんが一緒にキッチンに立つこともできるように、大人2人がすれ違える広さを確保しました。普段はここで食事をするというカウンター式のダイニングには、あえてデザインの異なる椅子を並べました。この椅子だけでなく、リビングのソファや壁のニッチ、カーテンなど、その色使いによって、家全体におしゃれな統一感をもたらしています。
廊下には、天窓から明るい光が射し込みます。廊下の奥、Fさんのお父さんの居室となる和室と寝室は、落ち着いた静かな空間を意識し、LDKからは玄関を挟む形で隔てられています。
2階には主寝室と子ども部屋、ウォークインクローゼットに加え、カウンターを設けたホールがあります。ドアの色をそれぞれ変え、1階とは異なる雰囲気を演出しています。
自然素材の家は防臭性や調湿性も高く、気になるにおいもないので快適とFさん。家の中のどこにいても家族の気配が感じられ、何よりリビングで家族がくつろぐ時間が増えたといいます。