牧場の敷地内に立つ大きな片流れ屋根の家。ガルバリウム鋼板に板張りの外壁がアクセントを添えるこの家は、上士幌町で酪農を営むTさんご一家の住まいです。
ご夫妻がパートナーに選んだのは、敷地内の牛舎や関連施設の建設を担当して以来、20年近い付き合いになるという大野建設。これは「働きやすい環境をつくってくれた大野建設ならば、暮らしやすい家もつくってくれるはず」という、Tさんが同社に寄せる厚い信頼によるものでした。
新居は、1階に暮らしに必要な要素をすべて集約したほぼ平屋。ナラの無垢材を使った床や天井、現しの梁や柱など、適材適所に木を配した住まいです。この木の質感をさらに引き出し、深みを与えているのが、モールテックスのキッチンやモルタルで仕上げた土間などの無機質素材。勾配天井と大きな吹き抜けがもたらす開放的なLDKに、異なる素材が美しく同居して上質な空間をつくり上げています。
「モールテックスは設計担当の城岡さんの提案です。素材の雰囲気も好みで、料理をしていて気分が上がるキッチンになりました」と言う奥さんは、その居心地の良さに一日のほとんどをキッチンで過ごしていると笑います。新居に移り住み、程なくして冬の気配がやってきた上士幌町。奥さんたっての希望で導入した薪ストーブが、パチパチという薪のはぜる音とともに美しい炎で新居を暖めています。
大野建設は1979年の設立以来、十勝エリアを中心に地域に根ざした家づくりを行っています。建築家物件を多く手がけていて、無垢材をはじめとした自然素材や薪ストーブを採用した事例も多数あります。
家族や友人を招いて食事をする機会が多いというTさん宅。暮らしの中心になるキッチンは意匠性の高いものにしたいと考えて、仕上がりの雰囲気が個人的にも好みだったモールテックスを提案しました。そのキッチンをはじめ、無垢床や現しの梁や柱といった経年変化が楽しめる木部、モルタルの土間など素材選びにこだわりながら、色数を抑えた落ち着いたトーンでまとめています。廊下に設けたFIX窓の向こうに見えるのは、豊かな木々や緑が魅せる絵画のような景色。四季の移ろいが楽しめるこの窓もまた、Tさん宅の自慢の一つです。
上士幌町・Tさん宅 スライドムービー
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家づくりを始める際に重要となるのがパートナー選び。自分に合ったパートナーにたどり着くためには、まず、どのような選択肢があるかを知ることが重要です。
大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。
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