芦野組は環境に優しい家づくりを目指して、高断熱・高気密の家づくりやウッドマイレージの少ない道産材の採用に積極的に取り組んできました。昨今は、建築設備のコストアップやエネルギー源の価格高騰、住まいの脱炭素化に対応できるよう、新たに薪ストーブを主暖房に用いた家づくりにも取り組んでいます。
2022年3月に完成したYさん宅は、その一軒。玄関土間からそのままつながるLDK、頭上には屋根なりのリブ天井まで延びる高い吹き抜け。木をふんだんに用いて設えた開放的な空間の中心に主暖房となる薪ストーブが設置されています。
2年半前、Yさんご夫妻は帯広から旭川へ移住したのを機に新築を決意。Yさんの実家近くで土地を見つけたご夫妻は「体の芯から温まる薪火の魅力を暮らしの中で楽しみたい」と、薪ストーブを採用できる依頼先を探しました。そして出会ったのが、多くの採用実績を持つ芦野組でした。「仕事の丁寧さと地元で長く続いている工務店というのも、依頼の決め手になりした」。
そう語るYさんに芦野組は、主暖房を薪ストーブを使い、化石燃料への依存を最小限に抑えた住まいを提案。そして薪火の熱が家全体に行き渡るよう、建具を最小限にした開放的な空間プランをつくり上げました。旭川の厳しい冬への備えとして、補助暖房に立ち上がりの早い寒冷地用エアコン、土間にはガスセントラルの床暖房も設置。さらに、床の冷たさを解消するため、新しい試みとして第3種換気システムで回収した暖かな室内の空気を床下に排出し、室内の熱を床下コンクリートに蓄熱させる仕組みを導入しました。エネルギーの無駄遣いをすることなく、厳冬期も床が心地よい暖かさを保てます。
薪ストーブのある土間はリビングも兼ね、吹き抜けの採光窓やウッドデッキとつながる大開口から陽射しがたっぷりと入ります。「寒い季節は太陽の光と薪火の熱でコンクリートタイルの床が暖まり、サンルームのようです。あまりに心地よくて、家にいるときはほとんどリビングで過ごしています」と奥さん。
省エネ基準をクリアする住宅性能を備えた新居は、2LDKの旧居と比べ、光熱費が安く感じられるといいます。旭川では地域柄、薪が入手しやすく、今では薪代が灯油代よりも安くなっているといいます。「本格的に薪ストーブを焚く冬になったら、どのくらい光熱費が違ってくるのか期待しています。万が一の災害時の備えにもなり、安心して暮らせます」と、Yさんは笑顔で語ってくれました。
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