Oさんのご両親が所有する築100年ほど経つ小さな平屋は、もともと賃貸住宅として建てられたもの。空室になり取り壊しを考えたものの、柱や梁の傷みが少なかったことから「柱と梁を活かしたい」と佐善工務店に相談を申し込んだといいます。ご夫妻はそれまで仙台市に住んでいましたが、立地がOさんの職場のすぐ近くだったこともあり、フルリノベーションして転居することを決めました。
ご夫妻が希望したのは、「二人暮らしにちょうどいいワンルームの家」。そこで建築家・洞口苗子さんは三間続きの和室と縁側をすべてつなぐワンフロアの間取りを提案。自社職人を持つ佐善工務店の施工力により、古材の趣を活かしつつ高い住宅性能を備えた住まいへ生まれ変わりました。
玄関から進むと、勾配天井に現しの梁が印象的なリビング・ダイニングが広がります。その周りに使い勝手の良い回遊式のオープンキッチン、扉を設けず段差でゾーニングした寝室を配置。寝室からトイレ・浴室への動線を直線で結び、暮らしやすさを実現しています。
「住み心地が抜群にいいですね。平屋なので全部が手の内にあり、動線に無駄がありません。夫も職場が近くなり、楽になったと思います」と奥さん。広いドッグランでは愛犬が走り回り、家の中では愛猫が梁をキャットウォークに。ご夫妻もペットたちものびのびと過ごしています。
宮城県産ヒノキやスギ材、ホタテ漆喰などの自然素材を使用し、健康と環境に配慮した家づくりを行っています。大切にしているのは家族のライフスタイルに合わせた住まいを提供すること。リノベーションではすべてを替えるのではなく、その建物の良いところを残したいと考えています。Oさん宅は古民家再生に長けたL・P・D architect officeに設計を依頼し、施工を当社が行いました。
基礎がない建物でしたので曳家を行い、ベタ基礎を新設して耐震性を確保。高断熱化・高気密化も行いました。家の主役でもある梁は自然の風合いを生かすために塗装をせず、床は掃除のしやすい木目調の塩ビタイル、玄関とリビング・ダイニングの壁は調湿効果のあるホタテ漆喰で仕上げています。家の中からサクラの木とドッグランを眺められるようにしており、春が楽しみな住まいです。
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「工務店」やその家づくりについて、皆さんはどのくらいご存知でしょうか?大きな住宅展示場にモデルハウスを持ち、多数のメディアで大々的に広告している大手ハウスメーカーに比べ、地域の「工務店」は、興味はあってもなかなかその実情を把握しにくいのが現状です。
そこで今回は、それぞれに特徴や強みの異なる工務店との家づくりをご紹介。工務店をパートナーに選んで建てた実例と住まい手の声を通じ、その魅力を紐解きます。す。
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