土地の気候風土に適した構造や性能、流行にとらわれないデザイン、そして、暮らすほどに味わいを深めていく自然素材、優れたメンテナンス性。2018年、帯広市に誕生した「アインビルド」はその一つひとつを大切にしながら、住まう人に長く愛される住まいを実現。「型にはまった家づくりはしたくない」という、こだわり派の住まい手との協働で、個性あふれる空間を次々とカタチにしてきました。
共働きのOさん夫妻が、2022年4月に完成させた住まいもその一つ。民家やマンションが密集する一角に立つダークトーンのガルバリウム鋼板と木板を張った外観は、洗練された雰囲気が印象的です。「結婚以来、ずっと賃貸のマンション暮らしを続けてきました。でも、私たちも40代になり、新築のタイムリミットだと思い、長すぎた借り暮らしを卒業することにしました」と、Oさんは2年前を振り返って語ります。
そんなご夫妻が新築の依頼先に決めたのが、アインビルド。土地を譲ってくれた知人の紹介だったといいます。「戸建てを新築するといっても、マンション暮らしが長かったので手の届く範囲に欲しいものがある便利さは捨てがたい。それに、高齢になったときの暮らしを考えても、ワンフロアで生活できる住まいが理想的。幸い、敷地が約90坪と広かったので、平屋造りを基本にプランを考えてもらいました」。また、ご夫妻は賃貸時代の悩みだった収納不足の解決も切望していました。
細かな設問に答えるアンケート形式の聞き取りを経て、アインビルドが提案したのが、玄関のパントリーとシューズクロークを兼ねた収納空間と、アイランドキッチンを結んだ平屋ベースのプラン。LDKを囲むようにウォークインクローゼットを備えた寝室、納戸、水まわりを配置。マンションの一室のように、各スペースが最短の動線で結ばれ、移動がスムーズです。
「ほぼ平屋でありながら、リビング階段でつながる中2階のホールや2階の個室、リビング・ダイニングには採光窓を設けた大きな吹き抜けも設えられていて、空間が立体的。マンションの利便性と戸建てののびやかさ、両方を兼ね備えたマイホームが実現できました」。生活動線に合わせてレイアウトした各収納スペースも容量たっぷり。整理整頓ができずに困っていたたくさんのモノも、生活動線に寄り添うように、あるべき場所にぴったりと収まりました。
「南側に立つマンションからの目線を避けるため、北側採光を採用。漆喰壁に反射する光が優しく、夏は暑い陽射しがカットされるのでとても涼しく快適です。的確な提案のおかげで、愛着を持って暮らせる一生の住まいができました」と、Oさんは嬉しそうに話してくれました。